第10話 日本の夏は、怖い。「忘れちゃった?また、戦っちゃおうかな?」「ちょ…」「やあん」彼女が、日本の夏を教えてくれることになりました。

 今、夏だぞ?

 全身、黒タイツ?

 「そんなに見ないで、くださいよう」

 暑い、暑い。

 今年の日本は、6月で、気温40度を観測した地域もあった。

 それをわかっていて、黒タイツに、入られるとは。

 「まさか、2階のベランダから、女の子がやってくるとは。心の準備をするひまなんて、なかった…」

 その子の頭には、黒の触覚をぴょこんと出したヘアバンドが、付けられていた。

 尻には、頭よりも大きな、黄色のぼんぼりが付けられていた。

 その、黄色のぼんぼりには、何本もの黒い線が、巻かれていた。どう見ても、ミツバチ。

 「私、エッチなモスキー子ちゃんです!チュッ!」

 投げキッスなんて、されてさ。

 はだけた彼女の部分からは、甘い、香り。

 「上がっても、良い?」

 「…」

 「私…。足を、ベランダに、つけたままなんですよ?」

 「ああ、そうだった」

 ベランダをふくのに使うぞうきんに、ペットボトル入りの水を含ませて、彼女に、渡してあげた。

 「これで足をふいたら、どう?」

 「ナイス、アイデア!」

 「ほめられちゃったか…」

 「良いじゃないですか?あなたたちは、ほめられて、伸びるタイプなんでしょう?」

 「何だと?」

 「ちゃんと…。伸びているじゃないの」

 「…はい?」

 「だって、下半身…」

 「あ…」

 恥ずかしい棒が、かたくなって、伸びてきていた。

 耐えきれなくなって、しゃがみこんだ。

 「ゆ×りさん、ですよね?」

 「え?」

 「…私のこと、覚えていませんか?」

 「これ、夢、なんだよな…?」

 日本の夏は、怖い。

 「私との戦いを、忘れちゃったのね?」

 「…はあ?」

 「じゃあ、また、戦っちゃおうかな?」

 「ちょ…」

 「やだ…」

 「俺の、下半身を!」

 「やあん。日本の夏を、わかっていないのね?」

 「何?夏の夜の戦いのこと、か?」

 あ…。

 夜の戦い。

 それは、かなり、エッチな言い方かも。





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