第9話 2階は、案外、危険らしい(変なのが、入ってきたりするから)!ついに、黒タイツ姿の子が登場!「私、エッチな、モスキー子ちゃんです♡」

 「ねえ」

 「ねえ、君?」

 「お…俺?」

 「もっと、こっち、見て」

 「見てったらあ…」

 「何?どうせ、見たら、また、エッチだとかって、言ってくるんだろう?」

 「良いから、見て」

 「こんなにも、股を、広げているのにさ…」

 「もう、見られないよ!」

 うそ。

 誰にもわからない程度の薄目を開けて、あたりを、見回してみた。

 「…え、テレポーテーションしちゃったのか?」

 今住んでいる、1人暮らしのアパートの部屋だった。

 「まじか!」

 この声に、女性たちは、不満顔。

 「…ちょっと、何?」

 「こうなったら…」

 何だ、何だ。

 「あの方を、呼びましょう!」

 「そうね!」

 「こんにちは!」

 …あれ?

 玄関の呼び鈴が鳴るよりも先に、誰かの声が、聞こえてきた。というより、呼び鈴が聞こえたというのは、空耳だったんだろうか?

 「不思議なことも、あるもんだ」

 ポポン、ポポン、ポポポン、ポポン…。

 玄関の呼び鈴が、鳴った。

 「はい、はい、いきますよ…。誰なんだ?」

 先ほどまでいた、2人の女性たちの姿が、見えなくなっていた。

 玄関を、開けようとした。

 「違いますよ」

 …え、?

 「私、エッチなモスキー子ちゃんは、ここですよ」

 何?

 また、エッチな何かが、襲ってくるのか?

 そこは、アパートの2階部屋。

 声は、玄関じゃなく、2階の外のほうから、してきたが…?

 「うわ…」

 窓の外に突き出たベランダに、女性の姿。女性は、ミツバチのような格好をして、立っていた。

 「どういうこと、なんだ?玄関の呼び鈴が鳴っていたのは、空耳?いや、いや…。夢のできごとだから、何でもありっていうこと、なのか?」

 「私、エッチな、モスキー子ちゃんです♡」

 モスキート?

 蚊、ですか?

 「しかし…。やっぱり、ビミョー。ミツバチじゃあ、ないの?本当に、蚊?モスキート?」

 その子は、全身、黒タイツ姿。





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