36話 山級殺し

36話 山級殺し




宴のあとワガマチに戻る。



ビッグバンベヒーモスを倒した事が知れ渡っていて町ではお祭り騒ぎだ。



行き交う人々の顔が明るい。



聖一は行商人から声をかけられる。


「よぉ!ありがとう!!俺達行商人にとって商売は命懸けだった!ビッグバンベヒーモスを倒してくれたお陰で、モンスターの発生はどんどん沈静化していくはずだ!本当にありがとうよ!」


「いえいえ。」


照れくさそうに応える聖一。


「これ持っていけよ。」


と新鮮な果物を受け取る。


「いいのか?ありがとう。」


「おう!5日は離れた土地で取れる果物さ。行商人にとって5日もかかる場所なんてのは命懸けだ。中々手に入らない。」


「そんな貴重なものなのか。」


「いや!お前さんのお陰でこれからは簡単に手に入るようになっていくだろう!だからもらってくれ!!」


「そうか。ありがとう。ふふふ。」


(本当に活気に溢れている。元々活気はあった。でもなぁ、この心の底から喜んでいる顔はやっぱり一味違う。良かった良かった。)



ワガマチについてダラダラしていたらギルマに呼び出された。


「解体するわよ!まじ卍ぃー!」



ギルマはビッグバンベヒーモスを解体したいようで街の外で行うことになった。



「よーし出すぞー!!」


聖一はブラックホールからビッグバンベヒーモスを取り出す。





「直接戦ってたけど、この目の前の距離だと、やっぱり、で…でかいわね。」


ギルマは決戦の時、岩山からの援護だったためかなり驚いている。



「じゃあ頼む!俺とハネビの一族も運搬や収納で手伝うぞ!」



高尾山くらいの図体を皆で少しづつ解体していく。







ハネビの一族が人や物を運搬。


いくつかの拠点に運んだりしていく。






聖一はいくつかの拠点を動き回り素材をブラックホールに回収する。




(これ2週間くらいかかりそうだな。高尾山とかに生えてる木を全部伐採する、とかよりは簡単だろうけどさー。いや、なんせでかいからなー。)



と途方にくれていたらアントとジャイアントヒューマン族の皆、ハイエルとハイエルフ族の皆が手伝いに来てくれた。


空路はハネビト族、陸路はジャイアントヒューマン族が拠点に運ぶ。


そしてハイエルフは皆が高所などで作業しやすいように、木や土の魔法を使って土台を形成していく。



(おぉー!これでギルドの人たちが高所で作業しやすい足場が確保されたぞー!よしよし。この感じなら5日位でいけるだろう。フッフッフ。)




もくもくと作業して休んで作業して休んで作業して。



5日後ようやく解体が終わった。



「終わったわよ!まじ卍ぃー!好きピの為に頑張ったんだからねぇー!爪汚れたからネイル綺麗にしたいんだけどー!!」



ムキムキの体をくねくねさせてギルマが叫んでいる。








するとギルマが、あ、忘れてた。

みたいな顔で聖一に話しかける。



「あ、そうだ忘れてた、今日から山級冒険者よ。まじ私の好きぴぃー!これであなたは世界で一番の冒険者だからねー。アゲアゲー!!」





聖一は、この世界では最高峰の冒険者。


山級殺し冒険者となる。



(まじかー!なんか嬉しいなぁ。へへへ、俺が一番か。フッフッフフッフッフ。ハーハッハッハ!!でもなんかこれからはそういう目で見られるだろうし緊張しちゃうなー。)

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