23話 集結していく者達

23話 集結していく者達




翌日の朝になった。


アントとハイエルは肌がツヤツヤになり、アントはナイスバディのママだが腕や足などが筋肉質になっている。ハイエルは前よりも銀髪がキラキラと輝き、ほんの少しだけ胸が大きくなっている。



どうやらジャイアントヒューマン族のアント、ハイエルフ族のハイエルは無事覚醒できたようだ。



(いやー覚醒するとなんか大人っぽくなって肌がツヤツヤになるのはなんでなんだろう。ゾクゾクしちゃうなー。そもそも俺の仲間は皆ほんとかわいいよなー。ウッフフ。)


朝になって妄想を広げる聖一。1人前に女性の事は好きだし、欲望もあるが、ただなにせこの男、鈍感である。


聖一がボーっとしているとたくさんの足音が聞こえる。



気になって外に出る。


聖一以外の皆も気になったのか家の外に出てくる。


(何十人か近づいてるのかな?人間達の足音が聞こえる。誰だろ?あ、皆も気になって家から出てきた。まあ、俺だけじゃなく皆も気になるよね。)


「むにゃむにゃ、なんにゃのきょの足音~。ふにゃ。」


「マホおはよ。眠そうだな。」


マホが眠そうにしている。



「ハネビさんがいないのでありますです。」


シャマがハネビがいないことに気付く。


(あれハネビがいないな。まあ、あとで探してみるか。)





ドドドという足音が2つ聞こえていてそれがどんどん近づいてくる。


なんとなくしか見えていなかった姿も、近づくにつれてしっかり見えてくる。


どうやら20人ぐらいの2グループが近づいてくるようだ。



金髪で背がとても高く、筋肉質でナイスバディな男女が20人ほどのグループと、

銀髪で身長が高く線が細くて美しいスレンダーな男女が20人ほどのグループだ。



(おそらくアントとハイエルの仲間だろうか。)


2つのグループは聖一たちの前にやってくる。


アントに姿が似ている20人のグループの真ん中にいる、中でも一番背の高い男性が口を開く。


「オイラはチチアント!ジャイアントヒューマン族の族長だ!精鋭を20人連れてきたぜ!」


(アントに顔がすごい似ているな)


「よろしくお願いします。俺は聖一。族長さん、応援とても感謝するよ。」


聖一はアントの顔をチラッとみたあと挨拶と感謝をのべる。


「あんたが聖一か!いつかアントを嫁にもらってくれよな!なんつってな!がーッははは!」


聖一の肩をバシンバシンたたくチチアント。


(なんて怪力だ!痛ぇー!)



族長のチチアントが笑うとジャイアントヒューマン族の皆も豪快に笑いはじめた。


(明るくて面白い人たちだな。)


「ちょっとやめろよ父さん!は、恥ずかしいじゃねぇか…。」


「かー!照れてやがるぜコイツ。まあ娘を助けてくれた恩もあるしよ、ビッグバンベヒーモスは人間にとって共通の敵だ。協力させてもらうぜ!」


(なるほどアントの父親さんか。顔が瓜二つだな。)


「お父さんだったのか。いつもアントには世話になってます。」


「よせやい!アント!こいつ良い奴そうだな!まぁよろしく頼むぜ!!」


(面白いおじさんだ。賑やかになっていいな。)



今度は美しいグループの真ん中にいる一際金髪ロングヘアーの美人の女性が口を開く。


「私はハイエルフ族の副族長、ママエルと申します。聖一様よろしくお願いいたします。」


貴族のようなきれいなお辞儀をするママエル。すると全員も一斉にお辞儀をする。


(とても美しくて礼儀正しいな。)



「俺は聖一。副族長さん、よろしくお願いします。そして、ありがとう。」


「とんでもない。我が愚かな娘を救っていただきありがとうございます!そして60歳にもなって誰からも相手にされていない娘ですが、それでもよければ是非貰ってあげてくださいませ。」


「あ、ハイエルのお母さんでしたか。……え、60歳?」


「母上ぇ!!やめてくださいませー!」


ハイエルが顔を真っ赤にしている。


(ハイエルが60歳?どうみても20前後に見えない。しかもこのハイエルのお母さんママエルさんも凄く美人で28、9歳ぐらいに見えるぞ。…ハイエルフおそるべし。)


聖一が驚いているのを見てハイエルが口を開く。


「我々ハイエルフは人間族の3倍は生きます。成長がとても遅いのでございます。」


「へぇーそうなんだ。じゃあ人間でいうとハイエルは二十歳くらいか。ってことはママエルさんは90歳手前くらいですか?」


ママエルさんが聖一の質問に凄く喜んでニマニマしている。するとハイエルが質問に答える。


「あ、いえいえ母上の年齢ははひゃくにじゅっ!ん!ぐぅー!」


年齢をハイエルが良いかけた時にママエルが手をかざした。すると年齢を言いきる前に、木のツタがシュルシュルと伸びてハイエルの口を塞いだ。


(120?ハイエルフおそるべし。)


ママエルが口を開く。


「とにかく聖一様、よろしくお願いいたします。」




2つのグループが加わった。






皆で挨拶などをしていると



遠くから声が聞こえる。


「おーーい!」


声の方を向く。


(誰だろ?)




「聖一~~!仲間連れてきたよ~~ん!」


(あ!ハネビだ。)



声の主はハネビト族のハネビだったようだ。




ハネビより羽が2回りくらい大きいハネビト族であろう人達がハネビと共に空からやってくる。


5人ほどのハネビト族が1列に並んで飛んでくる。


真ん中の人にハネビは抱えられている。


ハネビを入れて計6人だ。



そして聖一たちの前に到着した。

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