ゲーム7:親切丁寧家庭教師対決①

 誰が早織を自分のものにできるか競うグループ

 参加者 健吾・勝太・弘人・いおりん♪・かず


 伊織『まあ、そういうことで。それじゃあ簡単にルール説明しまーす』

 健吾『待って待って、これはつまり、知識を問われるゲームってこと?』

 伊織『いやいや、全然そういうことはないよ。まあ、ちょうど高校一年生くらいの実力があれば全然大丈夫』

 健吾『待って、ダイジョウブカナ……』

 伊織『んなことはどうでもいいから、さてと、ルール説明しますよ』

 伊織『まずは、私の知り合いから君たちと同じ高校一年生の女子を招集します!』

 勝太『俺たちも知ってる子?』

 伊織『勝太君は多分知ってる。他は分からない』

 伊織『まあ、取りあえずさ、途中で説明を遮らないでくれる?』

 弘人『僕は何も言ってませんが』

 伊織『ならいいです』

 伊織『さて、それでまあ女子を四人招集するじゃん。それで、そこから君たち四人にはそれぞれの女子の家へ出向きます』

 健吾『出向くの?! 知らない女子の家に乗り込むんですか?!』

 伊織『そゆこと。頼むから遮らないでって。それで、適当になんかプリントとかそういうの分からない子たちだから、君たちが家庭教師として、優しく丁寧になおかつ厳しく指導。それを教えてもらった子と私が一番いい家庭教師だった人を選ぶってわけ』

 伊織『意味分かった?』

 勝太『了解です』

 弘人『ところで、それはいつになるんですか?』

 伊織『それはさっき言わなかった? だから、その子らの了承がまだ得られてないし、日程も合わせられてないからまだ分かんないの。オーケイ? せっかちくん』

 弘人『せっかち君……』

 伊織『まあ、そういうことで今は休んでていいよー』




 誰が彼に告白する権利を勝ち取るか

 参加者 真緒・小笠原音・アケミ・かぎじゅり・あずき・いおりん♪


 伊織『久しぶりー』

 伊織『みんな気付いてー!』


 音『ごめんなさい、今気づきました。もう送信から三十分くらいじゃないですか。待たせちゃった』

 伊織『おっそいなぁ怒』

 音『すみませんすみません(汗)』

 伊織『まあいいけどさ』

 朱『気づきました』

 真緒『見参しましたー平良真緒でーす。伊織先輩久しぶりですね。なにか面白いことありました?』

 あずき『何何々、ゲーム再開ですか? それなら望むところですよ。伊織先輩、もしかして勝太君に伝手を持ってるんですか?』

 伊織『どうかな?』

 伊織『樹莉ちゃんが来たら教えるわ』

 音『遅いなぁ、樹莉』

 あずき『一体何やってんだか』

 朱『もう樹莉は抜きで良くない?』

 真緒『まあまあ、もう少し待とうよ』


 樹莉『はい! 鍵山樹莉、ただいまゲンチャクです!』

 伊織『久しぶりだね』

 真緒『刑事ドラマの見過ぎでしょー』

 あずき『ウケる』

 伊織『さてと、これで全員そろったね』

 樹莉『大体の成り行きは理解しました』


 伊織『それじゃあ、久々に声を掛けたんだけどさ、ちょっとさ、相談があってさ。前もさ、送ったじゃん動画』

 朱『あの勝太様が何やら意味の分からない漫才をしてた動画?』

 音『それと、なんか知らない三人の男子がカッコつけてたやつ』

 真緒『あれがどうしたんですか』

 伊織『取り合えずさ、それでちょっと協力してもらえないかなぁと思って』

 樹莉『伊織先輩ならなんでも協力しますよ。お世話になってるんだから』

 伊織『そう言ってくれるとありがたいね。ま、それじゃ説明するわ』

 伊織『あのさ、前見てもらった男子の動画あるじゃん? あれに出てきてる男子たちはある女の子を巡って色々してるんだけど……』

 あずき『え? それじゃあ勝太様は私たちの方を向かず別の女子のことが好きってことですか?』

 真緒『ウソ! 意味分からない』

 樹莉『そんな……まさか、何かシャブとかに手を出して色々となったんじゃ……? ガザ入れしなきゃ』

 伊織『しゃぶしゃぶが今何に必要なのか分からないけど、取りあえず大丈夫だから、ホントに』

 樹莉『あと、シャブはしゃぶしゃぶじゃなくって覚醒剤のことです』

 伊織『こわっ』

 真緒『じゃ、ガザ入れって何?』

 樹莉『ったく、真緒も全然ドラマ見ないんだね。まだまだだよ。ガザ入れは家宅捜索のコト』

 真緒『いや、あんたが好きな俳優が刑事やってるからってドラマ見過ぎなんだよ』

 伊織『はい! 無駄な会話が多い!』

 真緒『すみません涙』

 伊織『まあ、それでさ、その女子を巡る争いで彼らの誰が一番ふさわしい彼氏なのかを見極めるために、家庭教師として知識とか思考とか教え方とか試すわけよ。それでさ、あなたたちにお願いがあるの』

 音『はい』

 伊織『ズバリ、あなたたちがその四人の男子に教えてもらう子供になってほしいの。高校の問題集が分からないから家庭教師を呼んだみたいな設定で、家にそれぞれの男子に来てもらって、色々教えてもらって、その男子を評価するってわけ』

 朱『なるほど……何で私たちが? なんで見知らぬ男子に教えてもらわなきゃいけないんですか。勝太様なら喜んでですけど……』

 音『ホントにそれ。知らない男子にうちに土足で踏み込んでこられてバカなフリしなきゃなんて』

 伊織『ん? そんなこと言っていいの?』

 伊織『協力してくれたら、勝太君をあなたたちに引き合わせてあげようと思ったのになぁ……』

 朱『いや、喜んでやります!』

 音『私も!』

 伊織『それは嬉しいわ。じゃあ、いつやってくれる?』

 あずき『明日にでも』

 伊織『なら、明日の放課後から行ける?』

 あずき『行けます』

 真緒『行けます』

 音『私も行けまーす』

 朱『空いてます! 喜んでやりますよ』

 樹莉『勝太様のハートを手に入れるべくやります』

 伊織『ならよかった。それじゃあ明日の朝六時にLINEのこのグループ集合ね。そこから色々と作戦会議。OK?』

 真緒『了解です』

 伊織『じゃ、男子のハートを落としてね。落としてもらってもいいし。じゃ、よろしくー』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る