16:異世界からやってきた理由~後編~
「っ!!!」
・・・・嘘・・・・
私はまじまじとレイさんの額を見ていた。
想像していたのとは全然違ったから、かなり驚いちゃったけど、でも額に目、目って!? アニメや小説では聞いたことあったけど、まさか実際にこの目にすることになるなんて・・・って、ジョンもビックリしてる。でも、額にある目は瞑ったままだけど、美人は何しても(目があったとしても)美人なんだなって改めて思ってしまった。
「・・・ふぅん、やっぱり如月さん面白いね。」
レイさんはそういうと、前髪を下ろし、悪い顔(そんな気がした)で微笑んでいた。
「ふふっ普通ここは、『化け物ー!』とか叫んでもおかしくないんだけど、意外に冷静だね?」
「えっと・・いえ確かに驚いたんですけど、助けてもらったし、それに悪い人ではなさそうだしなーと思って・・・。」
助けてもらった恩人に化け物って、ダメでしょ!それに化け物どころか、美人さんは美人さんだし。だけど先程聞いた言葉に違和感を覚えた。
「あれ?私達ってことは・・・・レオ君も?」
「そっ!俺も人間(ヒューマン)じゃないよ。 ・・・じゃ一応見せとくかな。 」
そう言ったかと思うと、何か呪文めいたものを唱えていた。レオ君の身体が光ったと思ったら・・・
「あ・・・耳が・・・」
レオ君の耳が長くなった!髪の色は金色に変わってるし!もしやこれはPRG王道の!!
「俺はハイエルフ。耳が長いのが特徴かな。こっちではやたらエルフは美形とか長寿とか言われているようだけど、概ねはあってるよー!」
そういって、レオ君はニカっと笑ってウインクして自分の耳タブを触っていた。それに瞳の色が違う。茶色と思っていたけれど、さらに透き通った感じになって・・・琥珀色っていうのがしっくりくる。
だけど、本当にエルフが実在したなんて!!やだなんだかテンション高くなっちゃう!
「・・・・なんか夢みたい。」
私は思わず両方のほっぺを抓ってしまった。
「・・・いひゃい。」
うん普通に痛かった。
魔物のことも。レイさんやレオ君も、全部本当のことなんだ!
「夢ではなかったろ?」
あ、レイさん笑い堪えてる。
「ひゃい・・・」
「えーと如月さん。ん~やっぱ下の名前で呼ばせてもらおうかな?茅乃ちゃん。せっかく可愛い顔してるのに、面白い顔になってるよ。まぁ俺はそういうのも好きだけどね!」
と、レオ君はまたウインクしてきた。
美憂からは王子様キャラと聞いてたけど、どーも違うような?言動が軽いような気がする。王子様というよりはチャラ男認定したほうがいいかもね。本人には言えないけど。
「ま、レオのことはさておいて、」「って、おくなよ!」
レオさんがすかさず、レイさんに突っ込みいれたけど、・・・なんだかんだ仲がいいのは伝わってくるかな。私は思わずくすっと笑ってしまった。
「ふふ、この状況で笑顔がでるなら、よかったよ。」
そう言うレイさんも笑顔になっていたけど、その顔に魅入ってしまった。
「ん?どうかしたか?」
今度はレイさんは不思議そうな顔になっていた。
「え、えーとなんていうか美人さんの笑顔は破壊力がすごいなって」
うん。破壊力半端ない。女の私でも見惚れてしまうもん!
「あー、あぁそういうことか。え、えーとありがとう?」
レイさんは少し照れた感じになっていた。クールな人だと思っていたけど、結構可愛いところもあるかもっ!だけど、それも一瞬ですぐに表情を引き締めて、
「ま、まぁ話を戻すけど、今回のことが自然現象なら、我々も出しゃばることはしなかったけど、画策となると話は変わってくるからね。今回のように、魔物が悪さしているなら、それの対応も必要だし、調査も兼ねてるから、秘密裏に動いていたんだ。」
「その、犯人はわかっているんですか?」
「んー特定の個人ってわけではないけど、ある団体に目星は付けてるよ。けど確実な証拠がないんだよなー。まぁあいつらはそうゆう暗躍には長けている連中だからなかなか尻尾は掴ませてくれないから、ったく面倒な奴らだよ。」
と、レオ君はヤレヤレとため息をついていた。
異世界からの狩人(仮) 好文木 @ichi-ka
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