池中さんは池の中

彼女が死者だからというだけではない、うっすらと影に覆われたボーイ・ミーツ・ガール。
傷を負った少年と、自ら命を絶つに至った女性の日々。
短いながら濃密に、丁寧に彫りあげられたその物語の“終わり”までを、じっくりと堪能させていただきました。

ホラーと言うより、クライムな読み味。

とりあえずヴァイオレット澄子推し。
カニ食べたぁーい。

　池中さんと主人公である佐々木がいろいろな日々をすごしていく描写が中心です。
　6000字と短い作品なのですが、主人公がぐいぐい動いていき、結末へ向かっていく部分と、この場面を見せたいのだろうなというものが明確で構成の良さが目立つ作品でした。
　池中さんと主人公の佐々木がどうなるのか、見届けて欲しいなと思います。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（128文字）

　女の人の悪霊に取り憑かれた高校生の少年のお話。

　面白かった〜！
　青春もののホラーです。いや本当にそうとしか言いようがなくて……。

　悪霊であるところの池中さん、彼女が大変に魅力的なのがもうずるい。
　なんというか、ちょっと「悪霊」という語とはイメージの違う感じの個性。
　胸が大きいばかりでなく、意志もしっかりしていてよく喋り、なにより主人公（佐々木くん）にとってある種の大切な存在となっていく、その過程がもう読んでいて本当に楽しかったです。

　それでいて、彼女がただの「幽霊」でなく確かに「悪霊」ではあるっぽい、ということがちょくちょく語られるところがもう本当に大好き！
　おかげでし…続きを読む