またある日

 やっと来たのね!


 もう! レディを待たせるなんて!



 でも約束守ってくれてうれしいわ。



 アナタが来るまで、もう暇で暇で……。


 私はアナタみたいに好きなように外に行けないんだから。


 でも、今日は特にお話すること無いのよねぇ。



 そうだ!



 それじゃあ今日は、私がどれだけ暇か教えてあげる。

 

 もうこれを聞いたら、私のこと尊敬しちゃうわよ?


 「こんな日々に耐えているのかー!」って。



 いい?



 あのね、他の子たちと勉強する時以外はずっとこの部屋で過ごすの。


 他の子たちは面会に来る人達がいて、遊んでもらったり、抱っこしてもらうのよ。そうしているうちにね。だんだん仲良くなって、その家の子になったりするの。



 でも、私には面会に来る人はいないわ。



 あ、私が暇だって話だったわね。



 えっとね。それから暗くなってくると、寝室に行くの。


 夜は嫌い。


 だって、本当にやることがないんだもん。


 こうやって話してみると、私って本当に何もやってないわねぇ。


 だから、私は一日中空想の世界で遊んでるの。


 すごく広い部屋で遊び回ったり、お腹いっぱいご飯を食べたり。



 ……誰かに抱きしめてもらったり。


 そんな日は来ないと思うけど。



 ねぇ、あなたはどうして私のところにきてくれるの?



 ごめんなさい。そんな悲しそうな顔しないで。



 今日はなんだか暗くなっちゃったわね。



 え?



 明日も来てくれるの?



 うれしい。



 それじゃあ、また明日ね。

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