ある日

 あれ? アナタ……この前、来た子よね?



 また来てくれたのね!



 ……コホン。



 やっぱり、私に気があるんじゃないのぉ?



 しょうがないわね。またお話してあげる。



 この前ね。みんなで勉強していたら、二人の子が喧嘩を始めちゃったの。


 ちょうどお姉ちゃん先生が目を離した隙にね。



 もう私、焦っちゃって。



 急いで止めに入ったんだけど、どうしていいかまったく分からなかったの。


 いつもはお姉ちゃん先生が止めてくれてたし、私じゃ同じことできないし……。


 それで、とりあえず片方の子を持ち上げて。



 えいやっ!って投げたのよ。



 もちろん優しくよ?


 怪我させたら大変だしね。でも、その後が大変だったのよ!


 なんとその子、今度は私に怒ってきてさ。



 もうね。すっっっっごくうるさいの!

 


 私に体当たりしてきたり、噛み付いてきたり、すごく痛かった。


 子どもって以外に力強いのね。



 それでね。私も思わず叫んじゃった。「たすけてー」って。



 そしたらお姉ちゃん先生が来てくれて、怒っていた子をなだめてくれたわ。


 やっぱり私はまだまだね。もっとがんばらないと。



 もう帰っちゃう?



 また来てくれる?



 …うん。ありがとう。



 それじゃあ、また今度ね。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る