末期がんに侵された父と家族の物語。淡々と綴られる日常と病状の変化が心に迫ります。私も父をがんで亡くしているので共感する部分が多かったです。そしてこの作品と書き上げた作者さんを尊敬してやみません。20年以上経った今でも、私には父の闘病期に起こった出来事を書く勇気がないからです。この作品は読み手に伝えると同時に父を悼むレクイエムなのだと感じました。最後まで追いたい素晴らしい作品です。(第22話時点でのレビューです)
癌に侵され余命幾ばくも無い父。本人に告知をしない事を選択した家族の感情を、ていねいで、地に足のついたようなしっかりとした描写で描いています。騒ぐでもなく、怒るでもなく。静かに現実を受け入れながら、出来ることを探って過ごす家族の心情が切なくて美しい。文学を愛する皆様にお勧めしたい作品です。
とても読みやすく引き込まれる文章であり、現実が突きつけられる実感がする。末期患者の身内の心境はこう言うものなのかと震える。
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