第8話

 昨日は遅くまで起きていたせいか、朝方になっても黒斑と卯之助はまだ寝ています。卯之助は寝ぼけているのか、黒斑を毛布だと勘違いして抱きつきます。

「ふぎゃっ!」

 黒斑は驚いて毛を逆立てますが、一向に離れない卯之助の寝顔を見ると、また眠くなってきました。

「風が気持ち良いにゃー……」

 夏の日差しが当たっているとはいえ、木陰に涼しい風が吹くととても心地良くなります。

「さらさらー……」

 卯之助は黒斑を抱いても暑くないのか、と疑問に思いますが、二人とも幸せそうな寝顔でいました。

「今日は寝かせといてやるかのう」

 村長はどこかへ出掛けるようで、遠目から様子を窺ってはそっとしておいてやりました。

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黒斑と卯之助 星山藍華 @starblue_story

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