うつ病 初期(〜急性期)



何かしらのきっかけがあってうつ病を発症し始めた時期から、一気に落ちて行った頃のこと。


つまり一番重い時期です。


うつ病では、ギリギリこれまで耐えていたものが一気に崩れ落ち、そこから徐々にジワジワと半年〜数年かけて波打ちながら回復していく形になっています。


YouTubeで精神科の先生が解説している動画があるので、それを参考にすると理解しやすいです。




私の場合、始まりはまず夏から三ヶ月の微熱と胃酸過多から始まり、仕事が回らなくなり始めました。


この時はまだ精神面での落ち込みはなく、身体症状から始まっていたのです。




それから数ヶ月かけて、集中出来なくなったり、微熱でずっと暑くてPCの前でぐったりしたり、聴覚過敏が酷くてクーラーや人の声がキンキン耳に響くなどの症状が起こり始めました。


イヤホンをさせてもらって仕事をしていましたが、それも続けられませんでした。




人からどう見られているかがとても気になったり、裏で悪口を言われてるんじゃないかとか、自分は全然何も出来ないんだと責めたりと、どんどん悪化していきました。




上司に言われて、まず内科を受診し、その後ネット予約できる精神科を受診し、ここからようやくカウンセリングを始めます。


カウンセリングは、半年ほど続けましたが、1対1での対話は苦手で、私には少し相性の悪さを感じました。


元々自分の話をすることが苦手なので、グループカウンセリングの方が合っていたのです。




1対1でのカウンセリングでは、ほぼ泣いて時間を終えていました。


今まで耐えてきたものがうまく言葉に出来ず、それでも涙が出ていたということはストレスのはけ口になってくれる存在だったことは確かです。




私は、人前で泣くことに罪悪感を持っていました。


それは、泣くのを見た人に怒られたり邪険にされたりしていたからです。


しかし、カウンセラーさんの変わらない対応のおかげで、泣くことが悪いことではないのだと、泣いてしまうこともいいことなのだと、教えていただきました。




私は幼い頃の環境に問題があったのを自覚していたので、高校生くらいの頃から、そのうち精神に不調が来ることがありそうだな……となんとなく感じでいました。


それが精神的な虐待だったのだと受け入れられたのは、10年経ったつい最近のことです。




うつ病の初期、当時の仕事場は私にとってはホワイトだったので、休職、それから退職する時にとても残念な気持ちでいっぱいになりました。


その頃は落ち込みよりも社交不安障害の方が酷く、対人恐怖から外に出られなくなり、コンビニに行くことすら玄関前で数時間考え込む程、酷い状態でした。


店員さん、それから道中に出会う人、人からの視線が怖くて、外に出る時に毎回強い恐怖心があったのです。




焦りが酷く出て、退職後に半年ほど休んだものの、焦って次のアルバイトを探してしまっていました。


この頃しっかりと休めていれば、しっかりと自分の弱さと向き合って付き合っていこうと思えていれば、この先もっと酷くなる事を食い止められていたのかもしれません。




うつ病は、再発率50%、再発するごとに再発率の上がる病気と聞きます。


病気の症状からの焦りや不安、仕事のできない恐怖、過去の失敗の反芻思考など、当時は対処の分からないままにギリギリで、常に溺れているように生きていました。




私は三度程、鬱の大きな波がありました。


入院は必要ない程度でしたが、苦しさに程度の違いは関係ありません。


うつになったら動けなくなる、少し回復してくれば死にたくなったり消えたくなったりする、焦りが出て反芻思考に苦しめられる。


その流れは共通しています。




軽度でも決して軽く見ないで、無理をしすぎていないか自分を振り返ってみてください。


生活に無理をねじ込んでまで生活する必要は本当にあるのか?


このまま過ごしていて、この先何十年ともつのか?


もし身近な人がうつになったら?




考えすぎるのも良くないですが、こういった現実があることは知っていて欲しいと、当事者である私は思います。


病気の気持ちを理解できなくとも、病気になる仕組みや体験者の困り事は、受け取ることが出来るはずなのですから。

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