第4話

 いま放課後ほうかご美代みよ下校中げこうちゅう

「ねぇ、比菜子ひなこ昼休ひるやすみのときの質問しつもん、まさかわすれたとかわないよね?」

 う、わすれてなかったか~。でも、もうのがれはダメだよね。

「も、もちろん。」

「じゃあさっさとっちゃいなさいよ。うまでかえらせないんだからね。カフェでもなんでもんでこたえるまできまとうからね。」

 そんなにになるかな?まぁ、期待きたいされてるってことにしておこうか。

かってるってばぁ。えっと、なにをやらかしたかってやつでしょ?」

「そう、正解せいかい。」

 う、有無うむわせぬこの威圧感いあつかん。でも、これが正義せいぎえてたまにかっこいいなぁっておもうこともあるんだよね。

「あのね、昨日きのうさ、美代他みよほかのところってたから、おひる飯人気はんひとけいところにってべてたんだ。たまにはいいかなって。そしたら、そこで原先輩はらせんぱい?にっちゃって、だれもいないとおもってたから、すごいパニックになっちゃって、ついタメぐちしゃべっちゃったり、オバケかとおもったり、かえってきちゃったりしてしまったわけです。その失態しったい今日謝きょうあやまりにったところです。」

 原先輩はらせんぱいだとわかったのは今日きょうなんだけどね。

「え、マジで?原先輩はらせんぱいったの?やす時間じかん原先輩はらせんぱいえるのはマジでレアなんだよ!?友達ともだちでさえ全然ぜんぜんみつかんねぇ、とかってるのに。すごいよ、比菜子ひなこ!!いーなぁ。うらやましい~。って、どんなんだった?」

 めっちゃ興奮こうふんしてるじゃん。美代みよって結構けっこうこういうミーハーなこときなんだよね。

 って、原先輩はらせんぱいってやす時間じかんほかひとあそんだりしないんだ。

 いつもひとかこまれてるイメージがあったからおどろきだ。

「ねぇ、比菜子聞ひなこきいてんの?」

 あ、いてなかった。あぶないあぶない。

「え?あ、うん。ど、どんなって、とくになにも。普通ふつうじゃない?」

「も~。比菜子ひなこってこうゆうけいあまり興味きょうみないよね。彼氏かれしほしいとかおもわないの?」

「うーん。あわよくばってかんじかな?告白こくはくされたらかんがえようってかんじじ?」

 正直しょうじきうと、恋愛れんあいとかあまり興味きょうみがないっていうか、なんかしっくりないんだよね。

 少女漫画しょうじょまんがみたいに上手うまくとはおもわないし。

 でも、男友達おとこともだちはほしいかなぁ、とはおもってるけどね。

「マジかよ~。もったいないよ、せっかく比菜子ひなこめっちゃ可愛かわいいのに。じつはファンクラブまでできてるらしいよ。」

 フ、ファンクラブ!?そんなのって、アイドルじゃないんだからあるわけ、いよね?

「そう?りすぎじゃない?いたって平凡へいぼんがおだとおもうんだけどなぁ。ってかファンクラブってなに美代みよのファンクラブの間違まちがいじゃない?」

 うん、絶対ぜったいにそうだ。美代みよのファンクラブはあるのってるんだから。

 って、わたし美代みよのファンクラブはいりたい!!

「いやいや、そのかお平凡顔へいぼんがおなら、このにいるひとのほとんどが雑魚顔ざこがおじゃん。あと、わたしのファンクラブはいよ。」

「そんなことないよ。わたしより美代みよのほうが可愛かわいいじゃん。わたし、メイクとか流行はやりとかからないし。」

「いやあのね、ノーメイクでそこまで可愛かわいいのは、可愛かわいいとしかえないんだよ。わたしは、可愛かわいくないからメイクで誤魔化ごまかしてるってだけ。わかった?」

「んーかんない。だって、美代みよのすっぴんたことあるけど、普通ふつう可愛かわいかったも~ん。」

「もー、比菜子ひなこ。こんなにめてくれるの比菜子ひなこだけだよ。今度こんどメイクしてあげちゃう。それと、かみもそろそろったほうがいいんじゃない?私が切ろうか?」

「そうだね、そろそろろうかなっておもってたんだ。おねがいしてもいいかな?」

全然ぜんぜんまかせなさい!そんで、おしゃれして二人ふたりでお出掛でかけにこう。うん、そうしよう。」

「いいね。こ」

 ほっ、美代みよ機嫌きげんはどうにかなおったようだ。これ以上詮索いじょうせんさくされるとかくしきれるか不安ふあんだったんだよね。

 秘密ひみつまもりきれるかな?

 いや、まもらなきゃ、だよね。



            ⇓⇓⇓つづく⇓⇓⇓

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