クトゥルフの始まり。

 昔々、とある宇宙の片隅で神様が自分に良く似た神様を作り出し、眠りにつきました。


 生まれたばかりの神様は大暴れ、あまりに煩いので1番遠くに居た神様が兄弟を与えた。

 それでもまだ煩いので、2番目に遠い神様が太鼓打ちを与え、3番目に笛吹きを、4番目に揺り籠を。

 それでも意味を成さない泣き声は止まず、5番目の神様はニャルラトホテプを、6番目の神様は夢を与えた。


 それでも眠れぬ赤子の為に神々は次々に創造し、最後に1番近くに居た神様が一緒に眠りに付く事で、赤子は眠りに落ちた。


 その事に気付いた1人の男が独り言を言いました、この世界は赤子の見る夢なのか、夢が赤子の居る世界なのか。

 ニャルラトホテプが答えました。


『それを確認する為に、旅に出ようか』


 そうして男と千面相の神様は地球を飛び出し旅に出ました。

 月、火星、木星へ。


 そうして世界の果てで眠る赤子の神様を見付けました。


 次は1番近くに居る神様に会いに行き、2番目、3番目と会いに行き、赤子の神様を作った神様へ会いに行く途中、男と千面相の神様ははぐれてしまいました。


 寂しがり屋のニャルラトホテプは泣きました、あまりに煩いので今度は近くの神様がマイノグーラを、次には妻を、そして1つの映画館を作りました。


 そこでは1人の召喚者様の姿が映り、すっかり気の逸れた千面相の神様は大人しくなりました。

 そうして何回も何回も、召喚者様が1番幸せになる物語を探し続けているのです。

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