[1-4] 一縷の旭光

「あなたは……、いったい誰?」

 私は絶句した。

 私を真っ直ぐに見つめる結衣さんの瞳は、激しい怒りを湛えている。

「あなた、悠くんじゃないよね」

「それは……」

「悠くんはすごくコーヒーが苦手だった。読書も。そして、あなたのような大人びた喋り方もしない」

 私は思わず目を逸らして下を向いた。

「あたし、さっき本屋さんで記憶喪失のことについて書いてある本を見たの。こんなに好みが変わったり、当たり前に知っているはずのことを知らないのは、やっぱり記憶喪失では説明できない」

 結衣さんが、真っ直ぐ下ろした両手をぎゅっと握っている。

「これは……、忘れたんじゃない。元々知っているものと、いま見えているものが違いすぎて、どうしていいか分からないだけ」

 ああ、怒りに満ちた彼女に、いったいどう話すのだ。

 その瞳に湛えられた落胆と怒りに、私はどう申し開きすればよいのだ。

「あなたは……、あたしが知ってる悠くんじゃない。全く違う誰か」

 そうだ。そのとおりだ。

 しかし、その真実を話したとして、仮に誤解を受けずに正確に伝えられたとして、果たして結衣さんはそれを信じるだろうか。

 閉口。

 私の目が、いよいよ落ち着きなく泳ぎ出したのが分かった。 

 しかし……、しかしだ。

 いまここで彼女に話さなければ、もうこの真実を吐露する機会は得られないかもしれない。

 いま話さなければ、私自身、もうこれを良しとして理解を求めることを諦め、そしてそのまま力尽きてしまうかもしれない。

 大きく息を吸った。

 そのとき、とある言葉が脳裏をよぎった。

『スマートデ目先ガ利イテ几帳面、負ケジ魂コレゾ船乗リ』 

 毎晩毎夜、尻を殴られ叩き込まれた信条。

 海軍軍人はかくあるべしと、駆け出し水兵が無心に唱えた金看板。

 脚を揃えて、佇まいを正す。

 それから私は、特攻機の前でみずさかずきを割る教え子たちに対峙するがごとく、渾身の気概を込めて真っ直ぐに瞳を上げた。

「はい。私は確かに、悠真くんではありません」

 結衣さんがぐっと顎を引いて鉄柵から両手を離し、それからゆっくりとこちらへ向き直る。

「どういうこと? 誰なの?」

「私は悠真くんの中に……、いや、どう説明すればよいのか、私にもなぜこうなっているのかが分からないのです」

「分からない? こうなっているのは、あなたが自分でしたことじゃないっていうこと?」

「はい。戦闘機で飛んでいる時に謎の雲に飲み込まれて、気が付いたらこうなっていたのです」

「戦闘機?」

 結衣さんの眉根が、これでもかと歪む。

 私は言葉を選びながら、噛みしめるように続けた。

「先ほど書肆で戦争記録を目にするまで、私も確信が持てずにいました。どうやら、結衣さんから見れば、いや、この『現代』から見れば、私は過去に生きていた人間のようです」

「過去に生きていた? 過去からやって来たの?」

「やって来たという言葉が正しいか分かりませんが、私にとっての『現代』はつい数日前まで、『昭和二〇年』でした。そしてなんらかの不可解な現象に巻き込まれて、私は意思に反してこの、あなたがたの『現代』へ来てしまったのだと思います」

 結衣さんが大きく目を見開いて、唇の端を震わせている。

「じゃ、悠くんはどこへ行ったって言うの?」

「分かりません。分かっているのは、どういうわけか私の人格や記憶だけが時代を超えて、悠真くんの体に入り込んでしまったということだけです」

「本当の……、名前は?」

「川島秋次郎」

 この世界で二度目に口にした、我が名。

「季節の『秋』に、太郎次郎の『次郎』と書きます。大正九年五月二〇日生まれの、満二十五歳です」

「かわしま、あきじろう……。戦闘機って、いったい」

「私は海軍の戦闘機乗りです。岩国海軍航空隊所属、海軍上等飛行兵曹。現在は、飛行予科練習生教育隊で教官をしています」

「ぷっ」

 小さく吹き出した結衣さんが、はぁと息を吐きながら上を向く。

 見ると、瞳から溢れた雫がすっと頬を伝っている。

「ばっかみたい。冗談きつい。どうやって信じたらいいの?」

「嘘ではありません。私は……、私は元の時代に戻りたい。私の教え子たちは、毎日のように特攻に出撃して命を散らしているのです。それを見届けなければならない。そして、いずれは私も――」

 結衣さんは私のその言葉を聞くと、突然こちらへ身を乗り出して肩を怒らせた。

「でもっ! でも、悠くんも命を奪われたのかも知れない! あなたが……、あなたが入り込んでしまったせいでっ!」

 すぐ下の道路から、耳を覆わんばかりの単車の爆音が聞こえた。

 私はどう答えていいか分からなかったが、気概を込めた瞳を、逸らすことなく彼女へ向け続けた。

 向かい合った無言。

 単車の爆音が遠ざかると、唇を震わせる結衣さんがじわりと私に迫った。

 いまにも首を絞めんばかりに、その両手が私に伸びる。

「ねぇっ、どうやったら悠くんは帰ってくるのっ?」

「分かりません」

「ねぇ、返してよっ! お願いっ、悠くんを返してっ!」

 街の喧騒に響いた叫喚。

 その叫びが自動車の音に掻き消されたかと思うと、直後、彼女は伸ばした両手で私の胸を叩き、そしてそのまま顔を埋めて泣き出した。

 号泣。

 私は放心して立ち尽くした。

 この不可解な人格の乗り移りは私が意識的にしたことではないとはいえ、悠真くんを慕っていたであろう結衣さんからすれば、私を恨みたくなるのは当然だ。

 通路を往来する人々は実に無関心。この時代では、このような人目の多い場所で男の胸に顔を埋めて泣く女など、珍しくもないのだろう。

 どれくらいそうしていただろうか。

 嗚咽を漏らさなくなった結衣さんが、私の胸からゆっくりと顔を離した。下を向いたままで、表情は窺い知れない。

 そして、ぽつりと聞こえたのは、力ない彼女のひと言。

「悠くん、帰ろ」

 結衣さんはそう言って、目も合わせずに背を向けた。

 力なく歩き出す彼女に掛ける言葉もなく、私もその後に続く。

 改札口前の巨大な吹抜け。

 見上げると、先ほど天井すれすれに停まっていた空中列車の姿はもうなかった。幅広の階段を下りて、飛行甲板のような歩道の下にあるバス乗り場へと赴く。

 目当てのバスはすぐに来た。

 もう空は、取り残された紫を押しやってこれ以上ないほどの漆黒となっていて、目を凝らすとバスの窓越しにも瞬く星が見えた。

 窓に映った、結衣さんの横顔。

 私の隣で、ずっと外の景色を眺めている。

 しばらくして、バスが空中列車の軌道から外れ、両側に商店などが立ち並ぶ狭路へと進むと、不意に結衣さんがこちらへ顔を向けた。

 私を見上げる、愛らしい瞳。

 一瞬の間があって、彼女はその瞳を今度は伏せ気味にして、噛みしめるように言葉を紡いだ。

「悠くん、いえ……、秋次郎さん。さっきはごめんなさい」

「え? い……、いえ」

 突然のことに、思わず息が詰まる。

「あたしね? 自分から問いただしたことだったけど、やっぱりまだ半信半疑というか、そんなことがこの世にあるのって感じがしてる」

「……はい」

「でも、やっぱりあなたは……、あたしの幼馴染みの悠くんじゃないって思う……」

 肩を落とし、膝に置いた拳を思わず握りしめた。

 当惑と、焦心苦慮の念に押しつぶされそうになったその瞬間……、結衣さんに微笑みが宿る。

「ねぇ、秋次郎さん。あたしたち、友だちになれるかな」

 晴々として、一点の曇りもないその瞳。

「あたし、秋次郎さんがとりあえず悠くんとして普通の生活ができるように、いろいろ教えてあげる。だからあなたのこともたくさん教えて。そして――」

 結衣さんが、私の手を取る。

 ぎゅっと力が込められた、私の手を包むその手。

「そして……、一緒に元に戻る方法を探そう」

 突然、目頭を熱いうねりが駆け上がった。

 結衣さんの、あどけない微笑み。

 その温かな笑みが冷え切っていた私の心を包み、そして浸潤した。

 私は彼女に見られないようにゆっくりと顔を伏せて、独りごちるように呟いた。

「ありがとう」

 私は、どんな顔をしていただろうか。

 バスの中には、拡声器を通した運転士の声が淡々と響いていた。

 それから結衣さんは、バスがあの停留所へ着くまで何も言わずに、ずっと私の手を握って目を瞑っていたのだった。


 それから数週。

 ずいぶん慣れはしたものの、やはり母親が毎日振舞う食事は未だに至極旨く感じる。

 ここのところ、結衣さんは学校が終わると真っ直ぐ横田家にやってきて、夕餉の支度の手伝いをしたり、私に現代日本のことを教えてくれたりしている。そして食後のひとときを過ごした後、自宅へと帰っていくのだ。結衣さんの家は横田家の道を挟んだ向かいであるため、結衣さんのご両親は少々遅くなることを容認している様子。

「結衣ちゃんと話すようになってから、ずいぶん明るくなったみたいね」

「そうだな」

 私に聞こえていないと思っているのか、台所の隅で父親と母親が悠真の近況について話をしていた。

 確かに結衣さんに事情を打ち明けてから、私の心はずいぶんと軽い。

 それどころか、この現代の日本について結衣さんがいろいろと丁寧に教えてくれたおかげで、家庭内や近所での生活にはほぼ難が無くなったほどだ。

「秋次郎さん、これ、なんだか分かる?」

 両親のやり取りに気を取られていると、突然、実に愛らしい笑顔がその注意を遮った。

 台所の端に置かれた洋机。

 夕餉が済んだその食卓で私の隣に座った結衣さんが、小さな手帳のようなものを手に、ちょっと意地悪な笑顔で私の顔を覗き込んだ。

「はて、何でしょう。手帳でしょうか?」

「残念。おばさんが使ってるの見たことない? これね、電話なの。スマートフォンっていうのよ?」

「ほう」

 結衣さんは私とふたりのときは、『秋次郎さん』と呼んでくれる。

 現在、高校二年生だそうだ。

 しかし私の時代の高等学校とは、ずいぶん制度が違っている。

 私は六年間の小学校を卒業したあと、高等小学校や七年制高等学校ではなく、普通の五年制中学校へ進んだ。学力があればその後、高等学校大学予科や高等商業などの専学へ行く道もあったが、残念ながら建具屋の倅にはそんな学力も財力もなかった。

『建具屋を継がずとも、身を立てられさえすれば何をしてもよい。本が好きなら書肆勤めはどうだ』

 中学五年生の春、私は跡取りのひとり息子であるにも拘わらず、父親はそう言って私に笑顔を見せた。

 いま思えば、軍人になることが最も父母が願わなかったことだろう。

 私が十一歳のとき、猛烈な感染力の流行性感冒が街を襲い、兄と双子の妹がこの世を去って私はひとりっ子となった。

 隣家では志保の姉が命を落とし、既に海軍下士官として満州へ出征していた志保のふたりの兄は消息不明となっていたことから、志保もこれで私と同様にひとり。

 両家の父母が裏の軒下で互いに涙を拭いながら、慰めの言葉を掛け合っていたのがまるで昨日のように思い出される。

 だからこそ父はこのきな臭い世情に鑑み、建具屋など継がずともよいから戦地へ赴くことだけはしてくれるなと、そんな思いを込めてあの言葉を言ったに違いない。

 しかしあのとき、私はそんな両親の思いを露とも感じることができなかった。

 街に轟いた、志那での海軍陸戦隊奮戦の知らせ。

 胸が躍った。

 迷いが消え、「軍人となりて義を尽くすことこそ我が本分と心得たり」と、私は直ちに海軍志願の道を選択した。

 そして父も母もこれを聞いて欣喜雀躍してくれるものだと、私はそう思っていたのだ。

 それから数年、開戦後、一等水兵となって駆逐艦に乗り組んでいたときに、兵種変更によって水兵長に昇進したあと、上官の勧めで兵科転向試験を受けて飛行兵となった。

「画面に出たこの電話のアイコンをね、こうやって。インターネットにも繋がるんだよ?」

 とにかく、この七十余年後の世界の技術は驚異的だ。

 電話が無線で繋がるというのは、まぁ、理解に難くない。

 しかし、インターなんとかというのは完全に想像を絶する技術で、何度も説明を聞いたが全く理解ができない代物だ。

 どうも、どこかしらに無線で繋がる巨大な図書館のようなものがあって、そこから無料で書籍の頁を引っ張って来て読むことができたり、個人が蓄積している写真や映画を閲覧できたりするようだが、ただただ閉口を誘う奇々怪々の極み。

 奇々怪々と言えば、先日、黒板映画で実に奇妙なものを観た。

 広報映画であったが、そこには実に美しく勇ましい軍艦が映し出され、それがこの度就役した新型軍艦であると紹介されていた。その威容、さすが我が帝國海軍ぞと身震いしていると、結衣さん曰く、なんとこれは海軍の軍艦ではないというのだ。

 この未来の日本では、帝國海軍は消滅していた。

 戦後、新憲法によって交戦権を放棄した日本は、海軍の後継として『海上自衛隊』なる組織を発足させ、領土領海の防衛を行っているとのこと。

 そして、この組織は自衛のための最低限の戦力を保持しているのみで、『軍隊ではない』らしい。

 まさに、奇々怪々。

 風にはためく軍艦旗は帝國海軍と全く同じであるのに、これが海軍でないとは。

 それならばなんなのだと問うと、結衣さんもよく分からない様子。

 インターなんとかの解説によれば、彼らは『国防を主任務とする公務員』、すなわち役人であるとのことだった。

 役人が大砲を構えて、国土防衛のために戦うというのか。

「要は無線で繋がる電話機、ということですね?」

「そうそう。秋次郎さんの時代にも電話ってあった?」

「ありますとも。交換手を呼び出して繋いでもらわないといけませんが。だから電話が何かぐらい分かりますよ? 幼馴染みの娘からの用件を、隊の電話で聞いたこともあるのですから」

「あはは。それは失礼」

 結衣さんは、私の未開人ぶりを結構面白がっている様子だ。しかし、そのおかげでかなりの現代文化の知識を得ることができた。

 今の元号は、『令和』。

 大元帥陛下が戦後は象徴天皇となられて、陛下が崩御なさるまで『昭和』は六十四年も続いたそうだ。焼野原となった街。その瓦礫の中から立ち上がった者たちが、血の汗を流しつつ粛々と復興に身を投じた『昭和』。

 そして、皇太子殿下が天皇陛下となられ、その平和を受け継ぎ治められた御代は、『平成』と改元し、いまはその平成の天皇陛下も上皇となられて、世は新時代、『令和』となったのだ。

 もし私が戦後を生きていれば、現在の年齢は一〇〇歳を超える。

 なんとも不思議極まりない。

「悠真、明日から学校行ってみる?」 

 そう言いながら、先ほどまで父親と話をしていた母親が、盆に珈琲を乗せて台所から出てきた。

 よい香りがする。

 カップが卓上に置かれるのと同時に母親に目をやり、私はその満面の笑顔から逃げるように結衣さんへ視線を移した。

 結衣さんが一瞬きょとんとして、それから苦笑いしながら母親へ瞳を向ける。

「おばさん、もうちょっとしてからのほうがいいかもよ? 悠くん、まだいろんなこと思い出せてないし」

「そう? なら、いくらかは思い出せてるの? 悠真」

 カップの取っ手にやった手が止まる。

 一瞬の間のあと、私はゆっくりと背筋を伸ばした。

「まぁ……、そうですね。結衣さんのことは少しずつ」

 これだけ結衣さんと親し気に話しているのだから、全く思い出せていないというのも不自然だと思い、思わずそう答えた。

 母親が椅子を引きながら、少々半眼気味に結衣さんの顔を覗き込む。

「ふぅん、親より先に幼馴染みのことを思い出すなんてねー。いいわねー? 結衣ちゃん」

「あはは。でも、前みたいに、『結衣』って呼んでくれないけどね」

「ほんっと、私のことはいつになったら、『お母さん』って呼んでくれるのかしら」

 ケラケラと笑うふたり。

 母親の言は、記憶喪失の悠真に負担を掛けまいとしつつも、少々出た愚痴といったところだろうか。

 結衣さんも、きっと本当は辛いはずだ。 

 見た目は慕っていた悠真くんそのものであるのに、中身は全く見ず知らずの他人。さらには、それを伏せて様々なことに茶を濁さねばならないのだから。

 本当に申し訳なく思う。

 程なく、結衣さんは愛らしい笑顔で「おやすみ」と言うと、ほのかな甘い香りを残して道向こうの我が家へと帰っていった。

 そうして私は、他愛ない笑いがそこかしこを柔らかに包んだ台所と居間を後にし、その日も横田悠真としての一日を全うしたのだ。

 

 ふと目が覚めると、小鳥のさえずりが響いていた。

 窓の外では東の空がやや青紫となり、まもなく朝日が白々と山際から顔を出すことを知らせていた。

 窓を開けて見下ろすと、坂となっている家の前の道を、小鳥の声に混じってホッホッと弾む息を響かせながら、手ぬぐいを首に掛けた女が駆足をしている姿が見えた。

 正面は結衣さんの家。

 この悠真くんの部屋の窓からは、道を挟んだ向かいの結衣さんの家がよく見える。

 海軍軍人たる私がなんとも軟弱極まりないことだが、やはり私は結衣さんが一緒に居てくれているおかげで安堵を得ているようだ。滑走路の端に立ち、「気合を入れんか!」と配下を怒鳴りつけていた私の姿がまるで嘘のように思える。

 しかし、これが現実だ。

 私の現実を知って、結衣さんはそれを受け入れてくれた。いや、本当はそう振舞ってくれているだけかも知れない。

 しかし、それでもいい。いまの私には、結衣さんしかいないのだ。

 ふと、志保の顔が脳裏に浮かんだ。

 志保はいま、いったいどうしているだろうか。もしや、まだこの世界で生きているのだろうか。

 私には志保しか居なかった、あの昭和二〇年。

 そしていま、その志保が生まれ変わって来てくれたがごとく、結衣さんが私のそばに居てくれている。

 結衣さんを悲しませないよう、でき得る限りのことをしよう。

 もう少しこの新しい日本のことがよく分かったならば、結衣さんと一緒に学校へ行ってみようか。

 気が付くと、結衣さんの家を眺めつつ、そんなことが次から次へと頭に湧いてきていた。

 そして窓を閉めたとき、急に聞こえなくなった小鳥の声に代わって、階下から朝餉の支度ができたとの母親の声が聞こえたのだった。

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