◆第1幕・完結◇雑談◆ そして、ごはん。



 「幸村の海賊旗」におとづれてくださり、ありがとうございます。

 昨年2022年6月末からコメント欄での会話から気がつかせてもらえたこと、お伝えしたほうがいいとわからせてもらえた事がたくさんあります。


 天正十四年に帆船がはしる創作をどっかりのせたこの物語を、これからも楽しんでいただけるように、おつたえさせてください。


 ♡なめろうは千葉が発祥の地らしいのですが、千葉の漁師さんは和歌山から移住してきた人たちが多くて、地名もふるさとの和歌山と同じものが南総についていたりしますね。

 ♡麦飯! なめろう! 美味しそう!卵がはいっているお味噌汁があるんだ! 

          :という感じのさまざまな知識と声をいただきました。

                


◆◇◆ 作中の食べ物について  ◆◇◆


◯なめろう


 お仕事で「房州鋸ぼうしゅうのこぎり」の匠の工房に取材に伺ったことがあります。

 江戸時代南総里見家の武士鍛冶が作り始めたと言われ、房州鋸の性能はもともと和船を作る船鋸であったことに大きな理由があるようです。

 造船に使われるケヤキや樫という硬い木材を、曲線でまで切る必要のある船鋸には、縦挽き横挽きの刃が混在する廻し引き鋸として、仏像職人さんがお使いになることも。


 匠の工房は人口密集地から離れた鉄や土や水、作るための素材がまだ清廉な場所のそばにあることが多く、遠い道をよくきたねと、取材後は若いチームメンバーにさあ肉だ地元の名産だと、お料理上手の奥様手作りのご馳走を振る舞ってくださいました。


 「BLACK LAG◯ON」のダ⚪︎チみたいな風格いかつい匠が

 「劇場版 呪□廻戦 0」の乙◇憂太の華奢さをした若者が初めて見た「なめろう」を、おっかなびっくり白ごはんに乗せて食べたら気に入っておかわりするので

 房州鋸の匠は嬉しそうにお酒を飲みながら、関東関西混合チームの我々にお気を使ってくださったのか、千葉の名物になってるけど「なめろう」は、元は和歌山あたりから海流にのって伝わってきたらしいよと

 ほろ酔いで、美味の資格を分けてくれました。

 登場人物に食べさせてやりたかった漁師さんの船上めしです。



◯たまご


 本文中

 :源次郎は、味噌汁のつるんとした白くて途中丸いものを食むと、半熟の黄色がとろけ出て慌てて汁ごと口にする、生まれて初めて食べた鶏卵の味に感動:


 するんですけれど

 この舞台の天正十四年、卵をつかったお菓子などは入りはじめているんですが「卵を食べる」ことは縁起がわるいとされていたようです。

 古辞書関連の資料をみると「尺素往来」(1522)にカイゴ(卵子)とあるけれど鶏卵かどうか不明で、「節用集」の江戸時代以前に卵に関しての表記がみあたらず、やはり

 とくに戦場で生死の縁起をかつぐ武門の方々は食べなかったのかもしれません。

 


 作中で帆船団総大将の弁慶丸は、船団員にも源次郎たちにも食事をよく振る舞います。

 異国への海流をのりこなし物流こなす船団員に、海賊頭目は栄養価がたかい物を選び、ビタミン不足で壊血病になどならないよう各船で台所方に食の健康管理をさせているので、船団の食事がちょっと自慢のようです。


 食のシーンを見るのも書くのも楽しくて、異世界居酒屋~古都アイテーリアの居酒屋のぶ~、五郎さんがたまらない孤独のグルメ、大好きな漫画家よしながふみさんの「昨日何食べた?」「西洋骨董洋菓子店」

 ジブリの食のシーンみたいにつぅるっとぉろっふんわあぶるっバクバクバクっ!と

観ているこちらが唾をのむ、唾飲むだけなのについつい探してみちゃいます。


 だけれど小説「文人悪食」で文豪たちが、命と引き換えに喰らうような食のサマに、震える息を飲むのもいいですよね。


 ◆◇◆


 ひろく外の世界へ、狭い陸からも仲間を繋ぎながら。

 これからもお楽しみいただけますよう研いでまいりますので

 第二期大航海時代と戦国日本と帆船と彼らをお楽しみいただけたらうれしいです♪


  「幸村の海賊旗 」

  https://kakuyomu.jp/works/16817139555968326649


           ゆうつむぎ 拝

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幸村の海賊旗 〜戦せず手に入れる。戦国で世界をしる帆船海賊団を。人質時代の少年・真田源次郎、海の口伝〜  ゆうつむぎ @YoshinoGiou

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