第11話 12月

「メッリ~~……クリスマ~~スッ♪♪

 ほら、はやくクラッカー鳴らす鳴らす! ……イェーイ! クリスマ~ス!

 え? テンション高すぎ? あ、当たり前だよ。だってさ、こ……恋人と一緒のクリスマスって、浮かれないほうがおかしくない?

 ……でしょ? キミも浮かれて……いるね。鼻メガネって……あははっ!」


「でも、こうしてクリスマスを楽しめるのはキミのお陰だよ~。

 ありがとうね。いっしょに勉強に付き合ってくれて!


 え? 本当に教えるのが疲れた? むぅ~、そ、それは言いすぎだよ!

 わたしだって頑張ってたんだからね!? え、頑張ったのは、キミのほう?

 そ、そりゃそうだけどさ……。

 でも、恋人と一緒だとやる気でちゃわない? ……え? が、我慢するのに必死だった?

 …………あ。

 ~~~~っ。

 ま、まあ、キミのこと、好きだからさ……何にもなかったとしてもさ、体くっつけたくなるんだもん!

 キミだって、わたしがベッタリしてきて良いでしょ?


 え、えへへ、うれしいって……照れちゃうよぉ……♥

 それじゃあ……、ふたりきりのパーティー……はじめよっ」


「はい、あ~ん。……ど、どう。美味しい?

 よ、よかった~。料理、美味しいか心配だったんだ~。

 え? どうしてかって? ……えっと、ね。実はこの料理って……わたしが作ったんだ。

 あ、もちろんわたしだけじゃなくて、母さんと一緒にだよ」

(そう言うとキミは驚いた顔をしたけど、やっぱり……美味しいって言ってほしいからね。

 料理、男のころは作ることなんてあまりなかったし、良くて適当に焼くとか電子レンジでチンぐらいだった。

 でも、キミのためなら頑張りたいって思ったんだよ)

「やればできるな~。じゃないよ。キミのために頑張りたいって思ったんだ。

 だ、だって、ね……。女の子って、好きな人のためなら……頑張れるんだよ」


「ふぅ……、お腹いっぱ~い。

 はい、ごちそうさまでした。……って、え? こんな美味しいごはん作るなら、毎日でも?

 …………う、うん、ありがと……。そ、そうだ! プレゼント、あるんだ。

 ちょ、ちょっと、部屋で……待っててね!」


(……き、緊張するっ! せ、攻めすぎていない……よね?

 で、でも、クリスマスでなんだから、攻めすぎても……いい、よね?)

「――は、はいるよー。お、おまたせ~、プ、プレゼントは……わ、わたしで~っす♥

 …………う、うぅ、そんなポカーンってしないでよぉ! わ、わたしだってちょっとバカかなーって思ってたんだよ?

 だって、ビキニサンタでプレゼントが自分でーす、なんてギャルゲにある展開じゃん! だから暴走しすぎてるーって思っていたけどさぁ、ああ、うう、な、なんとか言って――んっ……ん、っちゅ……♥

 ん……っ、ぷぁ……い、いきなりキスぅ……?」


「え、がまん……でき、ない?

 …………う、うん、いい……よ。



 ……だいすき♥」

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