恋の音



 恋の音とは、どんなものかわからない。

 恋に落ちた音も、私は知らない。

 でも、私が恋した音は知ってる。

 show先生の音は初恋。

 今、恋してる音は、優しい音。



 水色に澄んだ秋の空。

 昨日まで鳴いていた蝉の声が消えた。街路樹の葉が少しずつ赤や黄に色を変えていく。柔らかな日差しが秋の到来を思わせる。

 九月二十三日。そうくんは学校を休んだ。元から休む予定だったらしく、その理由を訊いてもはぐらかすばかりで、答えてくれなかった。

 私達は、夏希なつきが入院している病室に来た。

 そうくんに勧められて、私は丸椅子に座らせてもらい、彼は壁に寄り掛かって立っていた。

 夏希なつきは、どうしてそうくんと一緒に来たのか、非常に驚いていた。

 今回のコンサートでそうくんに手伝ってもらったことを説明すると、「その延長線で、今日二人で来たのか」と渋々納得してもらう。

 そんな彼女は思った以上に元気で、私も驚いた。

 本人は当分ピアノは弾けないと笑う。広範囲の火傷は治ってきているが、完治には時間がかかるらしい。指も滑らかに動かないので、長いリハビリを覚悟しているとのこと。

 だから自分の納得がいく音楽が弾けるまでは、一人で頑張ってくれと言われた。

 それから三人でいろいろ話していたけど、沈黙が流れた後、夏希なつきおもむろに口を開いた。

「もしかして、アンタら付き合ってたりしない?」

 その一声にドキンと心臓が鳴り、全身に緊張が走る。

 どう答えようかと悩んでいると、彼女は溜息を吐いた。

「はあ。しほりって嘘つけないよね、ホント。アンタらは隠してるつもりなんだろうけど、なんっつーか……空気? 雰囲気? ていうの? なぁんか違うのよね」

 二度目の溜息。

 彼女に答えられないのは、厳密に付き合ってはいないからだ。

 まだそうくんからの返事は聞いてない。彼はどう思っているのかわからないけど、私はギクシャクしている気分がして居心地が悪い。

 彼なら、どう答えるのだろうかと一瞥する。

「まだ付き合ってませんよ」

 夏希なつきを真っ直ぐに見据えていた。

「嘘つきなさんな」

眞野まのさんの気持ちは知ってますけど」

 そう言ってニッコリとする。

 普段と変わらない彼。表情は余裕があり、自信のある双眸。

 それを見てからは、彼女は「あ、そ」と言って、疑ってかかるのをやめた。

 が、五秒くらい時間がかかった後、そうくんの言葉の意味を漸く理解したようで、目玉が飛び出るんじゃないかと思うくらい、目を大きく開いた。

「ん⁉︎ どういうこと⁉︎」

「まずは俺が返事をして……それからのことはその後考えます」

「え⁉︎」

 バッと、私を振り向く夏希なつき

 バッと、その目から背ける私。

 沈黙が流れる間も、夏希なつきの熱い視線を肌で感じる。

「アンタ、告ったのね……あたしがあんだけ言ったのに」

 わかってます、知ってます。相手は高校生だし、特にそうくんの母親は難しいことを重々承知している。忠告されておきながら、私から告白したとバレてしまった。

 なんて言い訳しようかなぁ。

 グサグサと視線が刺さりながら考えていると、

「俺たちのことなんで、先生は関与しないでください」

「教育者として、そういうわけにもいかんでしょうが。大人と高校生よ? 世間体的にどう思われるか、想像がつくでしょ?」

「ていうか、福岡ふくおか、今日学校は?」という問いに、彼は「元々休む日です」とサラッと流す。

 二人の攻防戦の中、私は恐る恐る首を戻した。顔は上げられないけど。

夏希なつき、折角忠告してくれたのにごめん。でも……どうしても、自分に嘘がつけなくて」

「まだ付き合ってないんなら間に合うんじゃない?」

「間に合うって?」

 顔を上げると、目が合う。

にすんの」

「へ?」

 目が点になる。

福岡ふくおかの口ぶりからして、しほりから告白したんでしょ? だからそれを——」

「なかったことにしろって?」

 夏希なつきの言葉に覆いかぶさるそうくんの声。その声色は普段よりも低いが、口許は上がっている。しかしその双眸は笑っていない。

そうくん?」

「先生。それって眞野まのさんに対しても、俺に対しても気持ちを踏みにじる行為だってこと、わかってるでしょ?」

「大人の立場から言ってんの。勇気を振り絞った告白を無かったことにするのも、受け取った側も、そりゃ良いことだとは全く思ってないよ。二人を傷つけることなのはわかってる」

「大人の立場? それは俺の母さんが面倒臭いから、余計なことはしないでくれっていう教師の立場だろ?」

福岡ふくおか。先生にはちゃんと敬語を使いなさいよ」

「それは失礼しました」

 素直に謝るが、心の内では怒りという感情が燃えているのだろうか。いつもより早口になっている。

「歳の差の壁は高いから諦めろ、夏希なつきはそう言いたいんだよね」

 ずっと頭の中で渦巻いていた言葉。

「全員が好意的に受け止めてくれるわけじゃないよ」

 夏希なつきの言葉に同意する。社会人と高校生の恋愛の壁は高い。一歩、道を外れてしまえば、大人は犯罪者のレッテルを貼られかねない立場だ。

 彼がそういうことをする人だとは微塵も思っていない。しかし、別れた後になって、社会人を訴える例もあるという。

 それくらい危ない綱渡りなのだ。

「恋は盲目っていうでしょ? いろんな状況が重なって絶体絶命の時、福岡ふくおかに助けてもらった。結果、勘違いの恋をしちゃってんの。吊り橋効果っていう奴?」

 そんなこと言わないで。

 感情が昂り、手が震える。

 私の為に言ってくれているのだと理解してる。でも、でも! この気持ちが偽りだなんて、勘違いだなんて……。

夏希なつきの言う通り、心理学的な効果かもしれないけど……私は! 私がそうくんに抱いた気持ちも想いも感情も、素直に受け止めるのッ!」

「しほり……?」

 こうやって親友に怒鳴ることは初めてだ。いつも夏希なつきに正論を言われて、そうだなと思って、謝ってばかりいたから。

「私は私を信じたい!」

 夏希なつきの入院先の病院で、そうくんに電話をかけた時。

 校門で集まって、一緒に歩いた時。

 私のアパートの部屋を片付けた時。

 先生の別荘で過ごした時。

 初めて臨んだコンサートの時。

 共に演奏した時間。

 二次会で先生の別荘にいた時に伝えた想い。

 全部、勘違いなんていう言葉で片付けたくない。そんな薄っぺらいものじゃない。いつだって本気だった。そんな自分まで否定したら、私自身になにも残らない。

「私、嘘をつきたくない」

 わかってよ。

 私の気持ち、半端なものじゃないってことを。どれだけ歳の差の壁が高くても、それだけで物怖じするような気持ちじゃないの。

「今、人に言われたから『嘘をつきました』『なかったことにしました』そんな腐った人になりたくない! なにもかも信じられなくなっちゃう。誰にも信じてもらえなくなっちゃう。そんな私になんの価値があるの?」

「落ち着いてよ、しほり。そこまで思ってないから」

「あなたの発言は、そういうことなんですぅ! だからもう二度と言わないでよぉ!」

 自棄になって、「わーん!」と泣いてやる。

 どう伝えたら理解してもらえるのかわからない。頭の中に浮かんだ言葉を一個一個順番に言っただけ。

「あ、泣かせた」

 そうくんの冷静な言葉が聞こえた。きっと彼のことだから夏希なつきを蔑む目つきで見ているのだろう。

「ああああもう、悪かったよ。謝るから泣かないで。病院だから、とりあえず落ち着いて」

「アンタ、高校生の前でよく泣けるね」の一言に、私の涙はスッと引っ込む。

「傷つけるようなことを言ったのは夏希なつきでしょうが」

 怪我や火傷もない肌を狙ってつねる。

「痛い! 怪我人に普通そこまでやる⁉︎」

「それにね! 私、そうくんに遊ばれたっていいもん!」

 もちろん私は遊びじゃないよ、と付け足す。

「大馬鹿者じゃないの⁉︎」

「いや、俺、遊んでませんからね」

 と、二人から反応が返ってきた。

 すると、夏希なつきの矛先が、突然私からそうくんへと切り替わる。

福岡ふくおか! まだ返事してないって言ってたよね」

「まあ」

「今、ここで返事しなさいよ!」

「え、なんで先生の前で言わなきゃいけないんですか」

 怒りの矛先まで変わった気がする。

「選手宣誓じゃないけど、あたしの前で誓って。それを見て、しほりがどうするべきか判断するから」

「ええ⁉︎ もう口出しをしないんじゃないの?」驚く私。

「早く言いなさいよ! どうせ真面目な福岡ふくおかのことなんだから、返事なんてとっくに決まってんでしょ?」

 そうくんは渋って、口を閉ざす。

 だが口を閉じてる間も、次から次へと吐き出す夏希なつき

 その言葉の中に「言わないと、学校中に広めてやるんだから」と脅迫じみたものまであり、彼はドン引きした後、流石に根負けしたようだった。

 諦めたように、耳の後ろを掻いた後、

「俺も、やっぱ高校生と大人っていうのは、いろんな面から気にはなってる。俺の母さんのことがあるし、一番面倒臭い。バレた時のクラスの奴らとか先生達は、まあ、いいとして」

 え、いいんだ。

 恐らく、夏希なつきも思ったに違いない。

眞野まのさんの友達とか、会社の人、家族にどう思われるか懸念してた。相手がガキだってわかったら、他の人も眞野まのさんのことを心配するだろうし」

 唸るように、唇に指を添える。

「だからって眞野まのさんの気持ちを蔑ろにしたくないし、俺も……」

 視線を感じた。振り返ると、そうくんと視線が絡む。

「その……自分の本心を口にしたのは、家族以外では眞野まのさんが初めてだから……」

 彼の頬が朱色に染まる。

 彼が言う〝自分の本心〟とは、きっと『俺も、しほりのそばにいたいなぁ』だと、すぐに気づいた。

 思い返してみれば、彼は自分がどうしたいかという欲望は、それ以外に聞いたことがない。いつも私のことを気にしてくれて、私がどうしたいかを聞いてくれて、その為にどうしたらいいか道を示してくれる。

「だから?」

 夏希なつきの声は茶化すものではなく、真剣そのものだった。

「先生が思っている以上に、俺も気持ちが固まってる、てこと」

そうくん……」

「俺も好きだよ、しほり」

 顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにしながらも、目を背けようとしない。

 真っ直ぐに見据える視線を受け止めてるからわかる。

「人に好きって言うの初めてだから、こんな感じでいい……?」

 本当に恥ずかしかったんだ。

 っていうか、初めての告白相手ってこと? 私が?

 そうくんは、顔を隠すように手の甲を頬に当てる。「顔が熱い」

「うん、うん、うん!」

 途端に語彙力がなくなる私。

 そこに遠慮なく割って入るのが夏希なつきである。包帯が巻かれた腕でムードを真っ二つにするように振っていた。

「はーい、お二人さんのムードを壊して申し訳ないけど〜」

「はい!」

 思わず前を向いて、背筋を伸ばす。

「お二人さんの気持ちはよぉくわかったよ。どうせ、あたしがなにをどう言ったって変わらないってこともわかりました。はい」

 面倒臭いなコイツらと書かれている顔面。声も非常にダルそうだ。

 なんだ、その顔面にグーで殴ってやろうか。と、内心で思う。

「これ以上は私も口出しをしないよ」

「おお! ありがとう、夏希なつき!」

 素直に喜んだ。

 一方、そうくんは相変わらず冷めた様子で言う。

「応援はしてくれないんですね」

「万が一にもアンタらが結婚式を挙げた時、呼んでほしいから応援するっつーの」

「なんだい、その不純な動機は」

 あまり口に出してツッコミを入れない私が、ついやってしまった。

 夏希なつきは深く溜息を吐いた。

「今からの課題はアレだね。どう福岡ふくおかの親を説得させるか」

「それだけじゃないよ。私の親も考え……」

 一時、フリーズする。

 安易に口を出したが、二番目くらいに面倒な案件ではなかろうか。

 だって、彼氏はいないかコール最多な母親が、娘から彼氏ができたと報告してきたと思ったら、相手は高校生かよコンチクショーとか言ってきそう。

 自分の老後の安泰が最優先事項だから、顔は良くても、金も地位も持っていない高校生を受け入れてくれるだろうか。

 岩のように固まっていたが、今度はスッと頭を抱えた。

「私のお母さんも……殺人級に大変かも、しれない」

「俺、殺されるんですか」

「いや、福岡ふくおか、殺人級って言ってんでしょ。例えだから。アンタって、実はそういう真面目ボケキャラだったわけ?」

「しほりに変えられちゃいました」

 イヤンと、無表情で真面目ボケをかますと、苛ついた様子で夏希なつきは「いくら付き合い始めたとはいえ、私の前で呼び捨てにすんな」と注意する。

 今、頭を抱えていても仕方がないから、そっと両手を下ろした。

「とりあえず、双方の親については後で説得していこう」

「そうですね」

 そして、

「しほりさんが住んでるアパートの引っ越しもなんとかしなくちゃですしね」

「引っ越し? あー、まあ色々あった場所だから、思い出しちゃうよね。てか、私も腹立ってくるから、その案には賛成」

 二人の言葉に、私は愕然がくぜんとした。

 悠長には言ってられない事柄だよ、それ。私にとって最大級な問題事項だ!

「ああああああああああ‼︎‼︎‼︎‼︎ 引っ越し! 引っ越しをどうにかしなきゃ!」

 私は思いっきり立ち上がった。居ても立っても居られない。早くなんとかしなければ。

 昨日までは先生の別荘に泊まらせてもらえたけど、今日からどこに寝泊まりしよう。

そうくん、今からアパートにすぐ帰ろう? 荷造りしなきゃ!」

「落ち着いて。まだ引っ越し先を決めてないでしょ」

「ああああ、そうだったぁ」

「というわけで先生、そろそろ俺達帰ります」

「はいはい。さっさと帰れリア充めが」

 シッシッと手を振って、追い出そうとする。

「先生、お元気で。しぶとく頑張ってください」

「嫌味を含ませんな」

 彼女の言葉を背中で受け止め、そうくんは病室を出て行く。私は彼を追いかけながら、ドアの前で立ち止まると振り返った。

「じゃあね。また退院の日に来るから」

「アンタも無理しないでね。福岡ふくおかとお幸せに。ちゃんと進展したら連絡してよ」

 ニヤニヤと笑う夏希なつき

「進展ってどういう意味? 説得ができたらってこと?」

「それも気になるところだけど。エッチ、とか」

「へっ⁉︎ なに言ってんの! そんなこと、まだしないよ!」

 ニヤァと笑う顔が怖い。

 そんな彼女の口から、禁断な性について触れられるとは予想もしておらず、顔から火が出る。

ね。せめて福岡ふくおかが卒業するまでは我慢よ、我慢」

「もう勝手に変な含みを持たせないで! じゃあね!」

 急ぎ足で病室を出る。

 彼は遠くまで行ってしまったのだろうか。

 慌てて廊下を見回すと、すぐそこで待っていてくれた。



 総合病院だけあって、沢山の患者達が行き交う中、広い玄関を出ると、

そうくん」

「はい」

 今までと変わらない返事。本当に付き合ってる、のかな? それともそういった関係にはなってないのかな。

「あ、その前に」

 突然、彼はそう言って改まった。

「俺達、付き合いましょうか」

「ふわっ! え? あっ」

 思わず足が止まる。

 その言葉を聞きたいと心の底では思っていたけど、私から口に出すべきか、それとも夏希なつきの病室での返事をそう受け止めるものだったのか、ずっとわからなかった。

 私が疑問に思うことを、いつも彼の方から口にしてくれる。エスパーか、なにかなのだろうか。

「やっぱ高校生だし、やめときます?」

 意地悪な顔で、首を傾げてくる。

 この人、私の気持ちをわかっててやってるに違いない。とは勘づいているが、やはり自信がなくて、

「ダメ!」

「はいはい。わかってますよ」

 やはり余裕な表情。

そうくんこそ、私で本当にいいの? いろいろ大変なことがあると思うし」

 私は不安になり、俯き加減になる。

「その大変なことを、二人で乗り越えていくんでしょ」

 でも、彼はいつも前向きで、いつも私より一歩前にいて、いつも導いてくれる。

 だから、

「うん」

 そんな彼が甘えられる居場所になりたい。

「大好き、そうくん」

「ん。じゃあ、引っ越しに困ってる可愛い彼女の為に、一肌脱ぎますか」

「んん⁉︎ 君は本当に高校生⁉︎ 頼りになりすぎないかい?」

 私の引っ越し先に目処が立っているかのような様子に、疑問を抱く。高校生とは思えない落ちつきぶりに、頼り甲斐がありすぎて、驚きが隠せない。

 実は、私より年上なんじゃないか説が脳内で浮上した。

 病院の敷地内から出ると、心が洗われるような爽やかな風が吹いた。その風は、金木犀のような甘い香りを乗せて駆け抜ける。

 一本一本を撫でるように、ふわっと私の黒髪が靡いた。

 互いに指を絡ませることもできない、始まったばかりの関係。

 指先が触れ合いそうで触れない。触れ合いたくても触れ合えない。

 社会人と高校生。

 それは社会では許され難い関係。

 だからこそ、何度も問題にぶつかるだろう。想像以上のつらいことや悲しいことも、二人で生きていく世界には数えきれないくらいあるだろう。

 そうだとわかっていても止められないこの感情を、私達は育む。

 年上で頼りにならない、甘えたがりの私。

 年下で頼りになる、甘え下手な彼。

 凸凹な関係だけど、それが互いに支え合える関係だと思ってる。

 私は、この人と共に歩む。

 音が引き寄せたこの関係は、きっと特別以上のものだと思うから。


 そうくんの隣にいる時の心音。

 これが恋の音なのだろう。

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