最強無敵の皇太子妃、現る! 

 狼公女の異名を誇る主人公は、自国の伯父にアプローチするも撃沈。ちなみに彼女の異名は、彼女が手にする武器に由来し、その武器を持った彼女は無敵と称される。主人公は伯父への恋慕を抱いたまま、政略結婚として大国の皇太子の妻となる。その国ではハリス教という宗教が国教の状態であったが、その分国を隠れ蓑として悪事を働こうとしていた。どうやらハリス教は、主人公と皇太子の結婚をよく思っておらず、ある者の暗殺を目論んでいるらしい。それは――。
 さて、最強主人公を妻とした皇太子は、昔主人公の生まれを疎んじ、主人公の母親のことで暴論を吐いたことを悔やんでいた。二人の距離は縮まらないと思いきや、主人公の帰郷に、皇太子が同行したことで、主人公の心は皇太子に傾いていく。そして帰りは何と主人公のもとに製作されていた船だった。主人公はただ単に腕っぷしが強く、器が大きく、頭が切れるだけではなく、先見の明もあったのだ。船による国交や海運の安全も、主人公の頭にはあった。
 そして大国に戻った主人公は、貧しい人々に食と学びの場を提供しようと、自ら食堂や学校の運営に乗り出した。順調に見えた主人公の活躍と国の繁栄。しかし、キタイという離れた場所で、火薬なる物が戦場で使われ始め……。

 先見の明と抜群の行動力、そして問題を見抜く力と改善力。
 明るく豪快ながら、さばさばとした主人公に心を惹かれる一作です。

 是非、御一読下さい!

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