伊勢乃新九郎物語

伊勢新九郎長氏、長らく北条早雲と信じられて、大器晩成で下克上の走りと言われていた。
伊勢新九郎盛時、最新の定説で北条早雲だと言われている。室町幕府の政所執事を務めた伊勢氏を出自とする。つまり、身分が高い。
そんな二つの説のどちらも取ってしまう、良い所どりの物語。

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伊勢新九郎は今出川が権中納言の手引きで伊勢国へと向かう際の警護役として選ばれた。京から伊賀国を経由してもう間もなく伊勢国との国境という所で武蔵野守の雇った追っ手によって襲撃を受ける。
事前に目星を付けていた権中納言より足止めを言い渡されていた新九郎は宿代わりにしていた空き家で果敢にも一人で敵と切り結び時間稼ぎをするのだった。
不運に見舞われ逃げ切れない新九郎は斬られながらも谷川に落ちる事で難を逃れた。一難去ってまた一難、折…続きを読む