第4話
残務処理に追われ、二十時過ぎに帰宅した
淳美が出勤したあとで、
淳美の家族は、菊次の入院準備を整えるために何度か帰ってきた
戻ってきたのは、
――『じーちゃん、
車がガレージに停まる音を聞きつけて庭へ飛び出した淳美へ、浩哉は憔悴した様子を見せずにけろりと言った。口ぶりの軽さとは裏腹に、庭の闇に紛れた表情は硬く、笑顔にも無表情にもならないように努めていると分かる顔だった。
――『しばらくは入院で、症状がよくなってきたら違う病院に転院して、リハビリに移るって聞いてるよ。あっちゃん、大丈夫だって。学校の先生が夜更かししちゃだめだよ。俺ももう寝るし、あっちゃんも早く寝てよ。俺のじーちゃんは強いから、絶対に元気になるよ』
最後はしっかりと笑った浩哉の台詞を、淳美も心から信じることにした。
菊次は細身の体格に見合わず
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