変わらない日々と舞台挨拶
四人での生活にそこそこなれて二週間が経った。
「真白さん、リビングでイチャイチャしない。」
真白さんは、由紀斗に怒られていた。
「わかったよ」
相変わらず、俺に対しての苛立ちはあるものの、本部に話を通してくれていた。
「来週から、千尋さん。よろしくね」
「はい、よろしく」
「よかったですね。仕事が、決まって」
「はい」
これから先も、俺達は四人で生きていくのだ。
誰にも、遠慮する必要だってない。
いろんな気持ちを抱えながらも前に進んでいく。
それでも、いろんな話をしながら四人で前に進んでいきたい。
俺は、由紀斗さんと梨寿さんに幸せになって欲しい。
二人が、幸せになるためなら俺だって真白さんだって何だってできるんだ。
子供に縛られる人生を長いこと送った二人
もう、繋がり合うことは出来なくなってしまった。
お互いをこんなに愛してるのが、今でもハッキリとわかるのに…。
その手に、その体に、
あれから、年月が流れた。
俺は、真白さんと梨寿さんと働きだした。
由紀斗さんは、会社員になった。
「明日なんだけど、これです」
そう言って、梨寿さんがチケットを差し出した。
「これって、こどはや2じゃない?」
「そうそう、試写会」
「舞台挨拶つきなの」
「当たったの?」
「当たったわけじゃなくて」
「どうしたの?」
「実は…」
「えーーー!!!」
梨寿さんは、吉宮凛と鴨池はやてと仲良くなったと話した。
「舞台挨拶終わったら、みんなで食事でもって、誘われたんだけど…。どうかな?」
「行きたい」
「鴨池はやてって、
「それは、知らないけど。あって、聞いてみたら?」
「シークレット歌手だから、教えてくれないでしょ?でも、あの歌に支えられた事は伝えたい」
「ぬくもりだっけ?」
「それそれ」
その言葉に、梨寿さんも真白さんも、「それ好き」と言ってくれた。
「だよね?いい歌だよね」
「わかる、わかる。」
「ぬくもりの次の歌聞いた?」
「あなただろ?」
「あれが、めっちゃ好き」
「わかるよ、わかる」
真白さんが、歌詞を言った。
「あなたの目に映る世界しかいらないってところ好き」
「わかる。」
「あれは、絶対好きな人に送った歌だよね」
「わかる。」
その日は、四人で頷き合っていた。
次の日、俺達四人は、【鼓動の速さでわかる事ー真実ー】の舞台挨拶ありの試写会に来ていた。
ギリギリでタイトルは書き換えられ、2ではなく真実になったらしい。
続編が、ありそうな終わり方だった。
舞台挨拶に立った二人が、話し出した。
「やっぱりね、今回もじれキュンってやつですかね?」
「今回は、さすがに、演じるうえでもキツかったですよ」
「先生としても、辛かったですね」
司会の人が、話し出した。
「今回、
監督さんが、話し出した。
「今回、この映画の為にお願いしたんですよ。
「続きもあって欲しいです。」
「そうですね。でも、まだまだスピンオフの二作品がありますので皆さんには楽しんでもらいたいですね。」
【はやてー、はやてー】
【凛ー凛ー】
「最後にお二人から、皆さんにメッセージをお願いします。」
「先生として、駆け抜けた半年間の撮影は、前作よりも苦しくて辛かったです。でも、その分、俺は先生が大好きになりました。なので、皆さんにも、もっともっと先生と央美を愛していただきたいです。」
【りんー、キャー、凛ー】
「今回、央美を演じるにあたり、前作より辛くて悲しかったです。自分の中にある感情と掛け合わせたのを覚えています。なので、皆さんにたくさん愛していただき。俺は、また央美を演じたいです。」
【キャー、はやてー、はやてー】
「実は、重大発表があるんですよね?監督」
監督の言葉をみんなは、黙って聞いていた。
「そうですね、この度、なんと!スペシャルドラマが決定しました。」
【キャー、キャー】
「舞台は、先生と央美が出会う前のお話なので。二人のシーンはありません。近日公開なので、楽しみにしてくださいね。」
【キャー、キャー】
舞台挨拶は、無事に終わった。
「じゃあ、行こうか」
「うん」
俺達、四人は外に出た。
梨寿さんと真白さんの車に乗って、見た事もない程、高いタワーマンションに連れてこられた。
これから、どんな二人に会うかワクワクしていた。
俺と由紀斗にとって、新しい世界が広がるのを感じていた。
愛してる。由紀斗&千尋 三愛紫月 @shizuki-r
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