真白に会う

由紀斗が、出ていってから。


私は、ベッドに横になった。


真白に会いたい。


私は、服を着替えて用意をした。


由紀斗に連絡をした。


駅前で、タクシーを拾って真白の家に向かった。


ピンポーン


ガチャ…


梨寿りじゅさん、どうしたの?」


「離婚できなかった。ごめんね」


「泣かないで。大丈夫だから」


真白ましろ。でもね、私はもう由紀斗とはそうなれないの…。真白との関係を知ったから、もう戻れないの」


私は、真白に抱きついた。


「とにかく、上がって」


玄関で話していた私を真白が家にあげた。


「梨寿が、由紀斗さんを愛してるの見ていてわかったよ。でも、元には戻れないんだよね?それも、わかってるよ」


「真白、そうだよ。でもね、由紀斗といると子供が欲しくなる。もう、子供に縛られる人生は嫌なの。」


「わかってる」


そう言って、真白は私を抱き締めてくれた。


真白に抱かれたあの日、私は子供を考えない交わりを久しぶりにした。


考えない事が、こんなにも幸せだった事を長い事忘れていた。



「したい、真白」


「うん、しよう」


真白は、私に優しくキスをしてくれた。


丁寧に愛される程、体も心もほどけていく。


真白が、れた場所から熱を持っていく。


「熱い、真白」


「どこにれて欲しいの?」


「ここ」


「わかった」


真白は、優しく唇をくっつけていく。


「ましろっっ」


「梨寿さん、愛してる」


耳元で囁かれて、全身を快感が貫いた。


「女性同士が、こんなにいいって知らなかったでしょ?」


横になった私の頬を真白が撫でる。


「知らなかったよ」


真白は、私にキスをする。


「離婚できなくてもいいよ。私以外としないでくれる?」


真白のヤキモチが好き。


「しないよ。私は、真白としか。私、正社員にならなきゃいけないよね。由紀斗と別れたら、収入が少なすぎるよね」


「私が、働くから…。梨寿は、今のまま働いていてよ。他の職場に行かれたら、疑心暗鬼になってしまうよ。」


真白は、そういって私の手の甲にキスをしてくれる。


「真白は、ヤキモチ妬きだね。」


「黒瀬さんが、梨寿さんを好きって知ってた?」


「えっ?何それ?変な噂?」


「噂じゃないよ。本当の話。黒瀬さんに聞いたから…。あんなイケメンに告白されたら、梨寿さんはなびくでしょ?」 


真白は、目を伏せる。


「なびかないよ。男の人は、もう嫌。子供の事を考えなきゃいけないでしょ?そんなの、もう嫌。真白といると、真白に愛されている事だけを考えていられて幸せだよ。」


「梨寿、そんな風に言われて幸せだよ。」


真白は、私の頬を撫でる。


「真白、ずっと言わなかったから駄目だったんだよね。不安にさせちゃたね。由紀斗と話して気づいたの。私には、真白が必要だって…。真白と居るだけで幸せだよ。」


「梨寿さん、嬉しいよ。その言葉だけで、充分だよ。」


「嘘つき」


私は、真白の頬をつねった。


「嘘じゃないよ」


「本当は、そんな言葉よりもっと欲しい言葉があるんでしょ?」


「ないよ」


真白が、頬を赤く染める。


やっぱり、可愛い


「真白は、昔から女性が好きなの?」


「女性の肌と手が好きなの。スベスベしていて、柔らかくて。だけど、梨寿は初めて、全部を好きになった。そしたら、独占欲がすごくなっちゃって…。気づいたら、誰にも渡したくないと思ってた。」


真白は、ポロポロと泣き出してしまった。


「泣かないで、真白。愛してるよ。」


その言葉に真白は泣いてキスをしてきた。

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これから先も、愛してる。 三愛紫月 @shizuki-r

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