番外編 星に手を伸ばそうとも

このエピソードは、時系列上は本編の前日譚に当たります。

物語のネタバレはありませんが、物語を読んでから楽しむと面白いかもしれません。


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 ──────3年前、イギリスのとある学校にて。



『今日からクラスで一緒に勉強する、ディアドラさんだ。みんな、仲良くするように』

『はーい』


 一目ぼれだった。

 人形みたいに整った顔立ちと、宝石のような瞳。透き通るような金髪。その全てが、僕を虜にした。

 6年間プライマリー・スクールに通った僕だが、こんなにも美しいと思えた同級生は初めてだった。

 最初は、こんな中途半端な時期に転校生なんて……と思っていたが、一瞬でその考えを改める事となった。


『ディアドラちゃんかーわいー!』

『前はどこの学校いたのー? ねーねー!』

『え……あ、えーっと。と、遠くのほうで……』


 その美貌は当然多くの人を惹きつける事になり、すぐに彼女の周囲は人だかりが出来ていた。

 ディアドラ・オルムステッド。彼女はとても同年代とは思えないほど大人びており、そして美しかった。

 仕草の1つ1つがとても整っていて、まるでどこかの令嬢みたいだ。いや、きっとそうだ。あんなに美しく、そして可憐なんだ。何処かの貴族の出に違いないだろう。

 なら、どうか御近付きになりたい。そう思って意を決し、僕は彼女に近づこうと放課後に後を付けた。


 そこまでが、僕の覚えている記憶。

 たったそれだけだったはずなのに。彼女と友達になりたかった、それだけなのに──────。



「子供だからとて、容赦するほど器用ではないッ!」

「こっちこそ手加減は出来ねぇなぁ!!」



 どうして僕は、大人と殺し合う彼女の姿を目の当たりにしているんだ?



 ◆



「出てきな。薄汚ぇ気配は隠しきれてねぇようだが?」

「バレたようなら仕方ありません。まさか、機関のエージェント様がこんなに幼いとは」


 人気の無い路地裏。1人の少女─────ディアドラ・オルムステッドが挑発するように声を放つ。

 それに応えるように、1人の男が物陰から姿を現した。背が高く、整った燕尾服を纏った細身の男だった。


狂酷体系ルナ=テクニ=クルエルか? それとも啓明へ至る栄光ヴェルタス・オキュラス?」

「どちらも不正解。明け色へ羽搏く叡智ヘルメス・ドーンと言えば、幼い君でも機関で聞いたことはあるだろう」

「ああ、なんだ。雑魚じゃねぇか。20世紀辺りで没落した娯楽サークルレベルだろ? 疑界結社オムニス・ドゥビトーん中じゃ下の下だ」

「口のきき方のなってないガキだ。が、今は目を瞑ろう。私の望む答えはただ1つだけだ。

 君たちも噂を聞きつけ来たのだろう? この地に眠る醒遺物フラグメント永劫の救済へ至る魂プレーローマ・アイオーンの情報を!

 私は幼い子供を甚振る趣味を持たない。君が知っている事を全て話してくれれば、君を無傷で開放すると約束しよう」

「話すと思うか。俺ぁこう見えても、R.S.E.L.ラジエル機関の一員なんでね」

「──────そうか、残念だ」


 そう男が告げた刹那、凄まじい衝撃が2人の狭間でぶつかり合った。


「圧し潰せェ! 地盤席捲ロックン・ロールッ!」

死の刹那こそ栄華の如くダンス・マカブル!!」


 少女が叫ぶと同時に、ディアドラの目の前に無数のつぶてが出現し、そして凄まじい速さで向かった。

 重なるように男が叫ぶ。すると彼女が出現させたつぶてたちは、揃って不可視の力に相殺され砕け散っていった。


 それはあまりにも、現実離れをした光景だった。

 人の少ない路地裏。ただ1人を除いて、その光景を見る者は存在しない。目撃したとて、その光景を受け入れ信じられるものはごく僅かであろう。

 10代前半の少女が、大の大人と本気でぶつかり合っている。それも、無から岩を出現させるという超常の力を以てしてだ。

 あまりにも荒唐無稽な光景がそこにはあった。


「随分とやるな! ロゴスは誰から習った!?」

「基本は自前だァ! "先生"からコツを習いはしたがね!」

「その年齢で詠唱無しの即座対応が出来るとは、師も君自身も末恐ろしい。刈り取らねば我らが脅威となるのは必然。

 なれば致し方あるまい。ギアを1つ上げていくぞッ!」

「ッ! これ、不味──────」


 男が一瞬、まるで意気込むかのように拳を握り締めた。

 その行為だけで、周囲を気迫が包み込む。ディアドラはそれだけで気圧されそうになるが、意志を強く持つことで耐える事が出来た。

 男はそんなディアドラを見ると、満足げに口端を吊り上げた。そして口を開き、"言葉"を紡ぐ。


「面白い。──────{ “人間よ、舞い上がるために生まれながら、なぜ僅かなる風の前に、墜ち往くのか?”}


 そう、男が告げた直後だった。

 ディアドラの頬に鋭い痛みが奔る。何が起きたのかを判断する前に、ディアドラは後ろに下がるように飛び跳ね回避行動をとる。

 一瞬の判断により致命傷は避ける事が出来た。だが、ディアドラの陶器のように白いその肌は、パックリと裂かれ鮮血に赤く染まっていた。


「切断、か」

「結果だけ言えば、そうなりますか。

 名乗り遅れました。私はミシェル。明け色へ羽搏く叡智ヘルメス・ドーンでは"シルフの叡智"と親しまれています」

「風の精霊? ブラフにしちゃあ余りにも出来過ぎているなァ!」


 ディアドラは己を鼓舞するように、わざと大声を張り上げてミシェルと名乗った男へと向かう。

 だがその途中、先と同じように肌を切り裂かれそうになり、その度に攻撃の手を止められる。一進一退とすら言えない、少女が完全に不利な状況がそこにあった。

 攻撃をしようにも、男の持つ力により阻まれ続ける。決め手の見つからないもどかしさが、彼女の思考を焦らせていった。


「(考えろ……奴のロゴスはなんだ? 諦めんじゃねぇ!

 "実践でしか判断能力は育たない"って単独任務にしたのは俺だろうが!)」

「探っているな。確信が掴めるまで全力を投じない。正解ですよ。師が良かったのでしょう。

 ですが──────待ってくれるのは優しい大人だけだッ!!」


 ミシェルの猛攻が続く。ディアドラは防戦一方を強いられ、その身体には生々しい傷が次々と増えていった。

 鋭い痛みが奔るごとに、思考を阻害されそうになる。だがディアドラは意志を強く持ち、男の持つ力を推理していた。

 男が操る"ロゴス"の正体を。


 ロゴス、それが彼女と彼が操る異能を指す言葉だ。

 言葉に宿る力を現実にし、ある時は物体を無から出現させ、ある時は神話や伝承を現実にする。人々の常識を超越する力。

 その力がある故に、ディアドラは今苦戦を強いられている。故にこそ、その力の正体を探ることがディアドラにとってなすべき急務であった。


 ディアドラの持つ力は、ロゴスの持つ「言葉の力」という特性を強く表している。

 火・水・地・風の4つの属性を顕現させ、そしてそれぞれに強弱関係をもたらし、相性で敵のロゴスを無力化する。それが彼女の持つロゴス能力であった。

 例えば火の特性に分類されるロゴス能力ならば、どれだけ強くとも水をぶつければ無力化されるというように、「一般的に信じられる4つのエレメントの強弱関係」を現実に置換する。そうすることで彼女は、幼い身でありながらも今まで多くの悪しきロゴス使いを倒してきた。


 だが、彼女のそのロゴス能力には大きな弱点がある。

 相手が持つロゴス能力が分からねば、彼女のその力は無力と化すという事だ。

 だからこそ彼女は、必死で思考を巡らせ推理する。目の前の男が持つロゴス能力が、如何なる形なのかを。


「(肌を切り裂くロゴス! シルフを名乗っちゃいるがあからさまが過ぎる!

 なんだ奴の力は……? どうにかして打開策を見つけなきゃ、こっちがやられるだけだ!)」

「そろそろ終わりにしましょうか。情報が聞けないのは惜しいですが、いずれ育つ脅威の可能性を見逃すほどお人好しでもない!」


 そう叫ぶと同時に、周囲を殺気が包んだ。男の本気のロゴスが襲うという直感がディアドラの脳裏を奔る。

 このままではまずい。どうにかして奴の力の正体を──────と、そう思考した瞬間、彼女の視界が男のロゴスの正体の一端を捉えた。


 煌めくような何かが、少女の視界の端を横切ったのだ。


「(今のは──────?)」

「成すすべもなく死ぬが良い! 舞い踊れ! 死の舞踏をォ!」

「舞踏、ねぇ……。一か八かだ!」


 死が目前に迫ったその一瞬で、ディアドラは男の力の正体に行き当たる。

 そして男の本気にぶつけるように、彼女はその渾身のロゴスを説き放ち、そして男のロゴスに対抗した。


{ “汝、己が信仰を地と説くなれば、我は吹き荒ぶ疾風となりて富を風へと帰さん”!}

「ヌゥッ!!?」


 ディアドラの詠唱が響くと同時に、一瞬の風が吹き荒れ彼女を包む。

 するとどうだろうか。彼女の周囲を支配していた、圧倒的なる死の気配が、文字通りに"霧散"した。


「馬鹿な……!」

「"相手の言動にも気を配れ"、か。先生、アンタの教え……しかと実践で理解したぜ!」


 目の前の状況を理解できないミシェルと対照的に、ディアドラは得意げに口端を吊り上げ笑った。

 彼女の周囲には、いくつかの塵と化した金属片が舞っていた。そう、それがミシェルの"切断"の正体であった。

 目に見えないほどに細いワイヤーを、ロゴス能力を用いて出現させ肌を切り裂き、そしてその直後に消滅させる。それこそが男のロゴスのからくりである。

 だが、金属と分かればディアドラの敵ではない。『金属は、風の前に"風化"する』。そういった言葉を現実に投影するのが、彼女のロゴスなのだから。


「テメェの負けだ。切断のロジックは暴かれた!

 さぁ機関に投降しなぁ! 永劫の救済へ至る魂プレーローマ・アイオーンについて、知ってることを話してもらうぜ!」

「誰が機関なんぞに下るかぁ!! 近代化の波に負けた脆弱なる家畜共! そのような立場になるくらいなら死を選ぶわぁ!」


 だが、力の正体がバレた程度で男は屈しない。

 その持ちうるロゴス能力を全力解放し、周囲を手当たり次第に切断し始めたのだ。

 しかしディアドラには通用しない。もはや彼女は、その風化のロゴスを用い、男の持つ切断から身を守り続ける事が出来る。

 故に彼女は、この場において男の攻撃からは無敵と言える状態に立っていた。


 ──────あくまで、彼女1人は。


「諦めの悪い奴だなぁ! なら、ここで──────!」

「良いのですか? "彼"を守らずして。彼は君が潜入していた学園の生徒でしょう?」

「な……ッ!?」


 ミシェルが挑発するように、あるいは誘うように、視線をわざとらしく向ける。

 その視線の方向には、少年が呆然と立っていた。ディアドラはその少年に見覚えがある。彼女が情報を得るために潜入することになった、プライマリーハイスクールの生徒の1人だった。

 何故こんな所に? ロゴス能力がバレた? いやそんなことより、彼を守らなくては。無数の思考が彼女の脳を支配する。

 すぐさまに彼女は、少年を助けるという使命感に支配され、そして彼の下へと駆け付ける。


 だが──────


「遅い! あまりにも遅い!

 己の力に慢心したその甘さが、この結果を生むと知るが良い!!」


 ミシェルが叫ぶと同時に、彼のロゴスが暴れ狂う。

 それと同時に、ディアドラの手が届くすんでの所で、少年の肌はずたずたに引き裂かれた。



 ◆



「ああああああああああああああああああああああ!!!」


 何が、起こったのだろう。

 ただ呆然と、ぼんやりとした世界を僕は眺めていた。


 覚えていたのは、とても痛かったことと、地面にぼろ雑巾のように倒れ伏した事。

 そして、僕に手を差し伸べた、ディアドラの必死の形相だった。


「ふ──────っざけんじゃねえええええええええええええええ!!」


 地面に倒れ伏した僕を見て、ディアドラは叫んでいた。

 怒り狂っているかのような、あるいは、悲しんでくれているような。そんな表情。

 その強い感情のままに、彼女は何かを唱え、そして知らない大人に向き合った。


「馬鹿な……! これほどの力が、こんなガキに──────!」

「死ね!! 死ね!! 死んでしまえ!!! この糞野郎がああああああああ!!」

「ぐげぁ!? が……! や、やめ──────ぎぇあ!!」


 泣き叫ぶような咆哮を響かせながら、ディアドラは男に対して何かをしていた。

 視界がぼやけ、よくわからない。なにか石を数えきれないほどぶつけているかのように僕には見えた。

 分かるのは、彼女が凄く怒っている事と、悲しんでいる事。そしてその強い感情のままに、何かをしているという事だけだった。


 何をしているのか、自分にはよくわからない。

 そもそも、何が起きているのかすら理解できていない。突然ディアドラの肌が裂けたり、塵が周囲に出現したり、訳が分からず僕は動けなかった。

 助けを呼びに行くことも、彼女を助けようとすることも出来なかった。何故って、怖かったから。何もできずに傷だらけになっていくディアドラの姿が、僕には怖くてたまらなかった。

 まるで、彼女が僕と違う世界に住んでいるみたいだったから。


 これは、そんな僕への罰なのかもしれない。

 理屈は分からなくても、彼女は苦しんでいた。痛みの中にいた。それなのに僕は、見ているだけで何もできなかった。

 何もわからなくても、僕に出来る事は何かあったはずだ。なのに僕は、何もしなかった。だからこそ僕は今、ぼろ雑巾のように地面に転がっているのかもしれない。


「大丈夫ですか!? ねぇ! 死なないでください!!」


 そんな風に考えていると、ディアドラさんの声が響いたように思えた。

 先ほどまでの乱暴な口調じゃない。いつも教室で彼女が見せていた、おしとやかで丁寧な口調だ。

 ぼんやりと、彼女が僕に縋りついて泣いている光景が見えた。


 泣いて、くれるんですか。僕は貴方を、助けられなかったのに。

 そう思うと、何故か嬉しくてたまらなかった。


 そんな嬉しさが、胸の中に満ちるように思えた。

 彼女が僕の身体をゆすっているような感覚がある。助けを叫んでいるような声も聞こえた。

 だけど、その感覚はどんどんと薄くなっていく。なんだかとっても眠くも感じる。ああ、これ、もしかして──────。



 答えを出すよりも先に、僕は意識を眠るように失った。



 ◆



「………はっ!」

「気が付きましたか?」


 目が覚めた時には、僕は病院のベッドの上にいた。

 周囲を見渡すと、学校の皆からの見舞いの品だとか、点滴のチューブだとかが目に映る。

 そしてベッドに横たわる自分の姿を見ると、包帯を全身に巻いている姿が見えた。まるでミイラみたいな姿だ。


「えっと……僕は、一体……」

「覚えていないの? 無理もないわね。凄い怪我だったもの。

 貴方は路地裏で事故に巻き込まれていたのよ」

「……事故?」


 隣にいた看護師さん曰く、僕はどうも路地裏で貰い事故を貰ったらしい。

 路地裏をバイクで失踪していた無法者のせいで、大きな被害が出ていたと聞いた。

 ただ何故か、僕にはその説明に対して違和感を覚える。


「え……でも、そこには確か……」

「確か────なに? 何か知っているの?」

「えっと……そこには確か、だれか、いた、ような……」


 だが、僕はその違和感の正体に気付くことは出来なかった。

 まるで頭の中にもやがかかったかのように、ケガをしたその時のことを思い出せない。

 何か、大切な人を探していたかのような、そんな気がしたんだけど──────。


 何も思い出せないという事は、多分、そんなことはなかったんだろう。

 僕はそう、自分を納得させるように考えて、看護師さんの言う過去を受け入れた。



 本当にこれで良いのだろうかという、一瞬の疑念を覚えながら。



 ◆



 ──────数か月後、イギリスのある場所


『激情に身を任せ過ぎだ。お前のロゴスの連撃は、危うくあの男を殺すところだったんだぞ』

「申し訳、ございません。以降気を付けます。任務において出会った人に、過度な思い入れを抱かないよう心がけます」

『あーいや、そう言っているんじゃなくてなぁ……。んー……まぁ、気をつけてな』


 任務を終え、ディアドラは自分の直属の上司─────レイヴンと呼ばれる男と通話していた。

 彼女らが扱うロゴスとは、使用者の強い意志がそのまま形となる力だ。故に、感情を制御する技術が問われる。

 だが彼女は、任務による一時的な関係でしかない同級生が傷を負った事に対し、激情を暴走させてしまった。

 結果、襲い掛かって来た敵を倒す事こそ出来たが、敵に対しても周囲に対しても甚大な被害をもたらす結果となったのだ。

 彼女はその結果に対して、強い後悔を覚えていた。


「(……私は、一時の感情に流され、被害を大きくしてしまった。

 それも全て、一般人に感情移入し過ぎたため……。情を、捨てなくては)」



「やはりロゴスを使える私は、孤独という事なんですね」



 自分に言い聞かせるように、ディアドラは呟いた。

 その隣を、1人の少年が歩く。彼女が戦闘の中で手を差し伸べた、1人の少年だ。

 少年はディアドラを見て、ふと何かに気付いたように手を伸ばそうとする。が、すぐさまにそれを取りやめた。

 何故ならもう彼の脳裏に、彼女の記憶は存在しないからだ。手を伸ばしたのは、一種の反射のような、記憶の残滓でしかない。


 ロゴスとは、知られてはならない世界の最奥である。

 一般人に知られれば世界の秩序の崩壊につながる故に、その存在は秘匿されている。

 故にそれを知った少年もまた、あらゆる記憶を抹消される運命にある。故に彼は、もう何も覚えていなかった。目の前で繰り広げられた超常の世界も、その全身に負った怪我の真相も、そして、ディアドラという少女への淡い恋心も。


 これが、ロゴスを使うという者の運命なのだ。

 ロゴスは知られてはならない。故に誰ともつながり合えない。同じくロゴスを使うものでなければ、絆を育む事も出来ない。彼らは全て、世界にとって"異物"なのだ。

 それをディアドラは思い知った。故に誓う。もう誰に対しても、その感情を移入させることはないと。ただ孤立する刃たらんと、此度の事件は彼女の胸に誓いを刻んだ。

 故に振り払う。気付きながらも、自分が助けようとした少年の手を、気付かないふりをしながら。そのまま彼女は、次の戦場へと向かうのだった。



 どれだけ手を伸ばしても、星に人の手が届くことはない。


 自らその星へと跳躍するような、愚か者でもない限りは。


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【一旦完結】破滅掌者の救誓譚〜神の力を手にしたから、日常の傍で世界を救う〜 十九六 @ju_ku_ro

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