第4話

 水姫は瑞也に会った。

「砂生はどこへ行った」

「・・・・・」

 瑞也は理解したようだった。

「それは残念だったなぁ」

 瑞也は意外と同情してくれているようだった。

「あのね、砂生は・・・・・」

 水姫はこれまでのことを全て話した。砂生の最後の最後まで・・・・・。

「じゃあ、砂生さんにそこまで言われたらお前も言うしかないってことだろうが・・・・・水姫」

 瑞也はそこから言葉をつづけた。

「水姫、好きだった。付き合ってくれないか――」

 水姫は返事に困った。だが、せっかく砂生が私の背中を命に代えてまで押してくれたのだ。

「瑞也。私も海で会った時から・・・・・」

 水姫は涙ながら続けた。

「好きだった」

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砂の男と水の女 DITinoue(上楽竜文) @ditinoue555

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