第21話 陛下様の沈黙

 陛下様は暫く、目をつぶり 黙ったままだ。

 重苦しい沈黙が続き突然 陛下様によって、それは破られた。


いにしえより 王にのみ 語り継がれる 最高法規がある。

 全ては、時が来れば、明らかとなろう。

 今は、これしか言えぬのだ。

 こらえて くれぬか。」


 わたしは、体から 全ての力が抜けて、思考回路が停止した。

 わたしの中で陛下様は、疑惑の人となったのだ。

 あの龍となんらかの関わり合いがあるのは明白だ。

 陛下様には秘密が多すぎ、わたしには・・真実を知る 覚悟が足りなさすぎる。

 こうして尚、わたしは躊躇していた。

 この胸のホクロ。

 どう考えても、あの龍と関係が深いのは、わたしの方なのに。

 しっかり しろ 凛。


「陛下、

 明かされるのは、いつに なりましょうか。

 これでは、リン様の心の置きどころが・・・」


 ロイドさんの言葉に割って入ったのは、わたしだった。


「ロイドさん。

 いいんです。

 わたしは、国王陛下様に 従います。」


 わたしは、真正面から、陛下様に強い視線を当てた。


「今は、わたしに覚悟が足らないからと 国王陛下様は、思われたんですよね。

 そうならば 尚の事 真相は国王陛下様の口から 聞きたいんです。

 夢の中で、龍に聞くことは しないつもりです。

 なので・・

 なので 国王陛下様、

 その時が来たら、貴方から お聞きします。

 いいですね。」


 自分でも、きっぱり言えたことに少し驚いた。

 わたしも、確実に成長している。

 真実までは、近い。

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