第6話〈陰キャに対しての心遣いか〉

 毎月一回くらいのペースで、デートした。

電車に乗って、20分くらいのところにあるショッピングモールに行くことが多かった。

お互いにあんまりお金もなかったし、ショッピングするってゆうよりは、歩きながら話をして、疲れたらフードコートでお茶するみたいなデート。

何回か、同じクラスの同級生たちに遭遇したりした。

みんな、えっっ!!??って驚いて、しろちゃんに、お前らってそうなの?って聞く。

うん、そう。って、しろちゃんは笑って答える。

これは、明日 学校へ行ったら、からかわれたり、冷やかされたりしちゃうんだろうな……

って思ってたけど、まったくウワサにもならなかった。

相手が私だから、だな……

たぶん、私は、からかわれないタイプ。

相手にされないタイプだ。

陰キャは、からかう価値もないって感じなのか。


前に、体育の授業で1500メートルのタイムを計るって時があった。

グランドを7周半する。

女子が走っている時、男子が周りで見ていた。

ヤンチャでスケベな男子4人が、女子を見ながら、

「大!中!小!」

と、騒いでいる。

胸の大きさのランクを決めているようだった。

私は完全に「小!」と言われるんだろうな……と思いながら、彼らの近くを通り過ぎた。


ん?

何も言われなかった。

私の後ろを走っている晴香ちゃんには、「小!!」

「まな板!!」

と、声がとんだ。

「誰がまな板よ!!加藤!!ぶっ殺す!!」

晴香ちゃんはそう言いながら、走り抜けた。

7周するから、その男子たちの前を7回通る。

私の前を走っている真央ちゃんは

「巨乳!!」

「爆乳!!」

と言われ、真央ちゃんは

「セクハラーー!!」

と、かわいい声で言った。

で、私が通ると、無言。

陰キャは、イジっちゃいけないって思ってるのか。

陰キャに対しての心遣いか……

まぁ、そんな感じで、私は相手にされないタイプ。


だから、

“白山と仲田が付き合ってるんだってよ!!”

なんて、ウワサが拡まることもなかった。


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