第46話 【半人半妖?】キブング(O Quibungo)

 キブングは、バイーア州で見られる妖怪である。その姿はさるに似ていて頭が大きい。また、背が高く、背中に巨大な穴がある。その背中の穴は、頭を下げると開き、頭を上げると閉じる。実は、その穴は彼の口であり、その口で子どもたちをらえるということだ。しかしながら、その口から子どもを無理やりに引っ張り出せば、その子を助けられるというから、強力な口ではなさそうだ。

 キブングはおおかみの姿をしているとも、おおかみと人間のハーフともいわれる場合がある。


 この怪物は、後年になると汚いボロを着た老人になる。その頃になると妖力ようりょくも失せ、体力も人間の老人並みになるという。そうなると、家畜かちくを殺すように簡単に退治することができる。だが、たとえ妖怪であっても、みすぼらしい老人を殺すことは気が引ける。妖力も体力もなくなったというならば、見つけても、そっとしておいてよいのではなかろうか。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る