第37話 【巨大ミミズ】(O Minhocão)

 ミニョケォンは黒くてやわらかい皮膚ひふを持った、巨大なミミズのような姿をしている妖怪である。これは、イタペチニンガ (Itapetininga) というサンパウロ州の南西に位置する都市に出現したといわれている。


 この妖怪はブラジルに古くからいる妖怪で、このミニョケォンが地中を動くことで地震が起こると考えられている。まるで日本の大ナマズのようである。


 ミニョケォンは地中を掘り進み、口の周りにあるものならば何でもお構いなしに飲み込む。地中のみならず川の中でさえも進むことができるといい、しばしばボートを襲って丸呑みにするともいわれている。現地の人に言わせれば、地面にある大きな穴や山の洞窟どうくつは、ミニョケォンが通ったあとだということだ。


 大きく、おそろしい怪物ではあるが、人々が悪く振る舞う場所に現れるともいわれているので、もしかしたら神のような存在なのかもしれない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る