第17話 【南米のUMA】シュパ・カブラス(O Chupa-Cabras)

 シュパ・カブラスは、メキシコ、プエルトリコやチリなどの南米諸国なんべいしょこくに広く現れ、ブラジルにも現れる。「 Chupa (吸う)」、「 Cabras (ヤギ)」の名のとおり、ヤギの生き血を吸うとされている。西洋では、ヤギは悪魔の代名詞とされており、ブラジルにも、入植者にゅうしょくしゃが伝えたヤギの姿をした妖怪がいる。そうなると、吸血悪魔という意味で、シュパ・カブラスと呼ばれているのかもしれない。いずれにしても、この妖怪は一種の吸血鬼である。シュパ・カブラスは、ヤギだけでなく牛、羊、鶏などのあらゆる家畜、あるいは犬や猫などのペットを襲うとされている。シュパ・カブラスの犠牲ぎせいになった動物が見つかるのは、大抵、朝であることから、この妖怪は夜行性と考えられている。


 南米諸国なんべいしょこくでの目撃例は1990年代から散見さんけんされ、今日でも目撃情報が得られる。ブラジルでは1995年にサンパウロ州のジャバクアラ (Jabaquara) で目撃されたのが始めといわれているらしい。目撃者の話を総合すると、身長は1~1.5メートル程度であり、頭から腰までに、トゲともたてがみともいえるものが並んでいる。指は3本しかないが、大きな鍵爪かぎづめを持っている。顔には巨大な赤い目とするどく突き出たきばがある。そして、このきばを獲物の首に突き刺して血を吸うとされている。


 シュパ・カブラスを地球外生命体、すなわち宇宙人であると主張する者もいるが、結局のところ正体は分かっていない。また、シュパ・カブラスの写真や死体とされるものがしばしば見つかるが、その真偽しんぎについても定かではない。日本では、この怪物はチュパカブラと呼ばれ、未確認生命体(UMA)として広く知られている。

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