第14話 【宝石を持つトカゲ】カルブンクロ(O Carbúnculo)

 カルブンクロはトカゲの姿をしていて、ブラジル南部のリオ・グランデ・ド・スル州にある洞窟にんでいるといわれている。別名はカルブンコ (Carbunco) 、あるいはテイニアグア (Teiniaguá) ともいう。


 この妖怪の皮膚ひふは黒く、ひたいには強く輝く赤い宝石が付いている。カルブンクロは「ザクロ石(ガーネット)」という意味であるので、この妖怪の名前は、ひたいの石に由来するのであろう。カルブンクロはアルゼンチンにおいてはファロル (Farol) と呼ばれており、これには「灯台」という意味がある。ファロルのひたいにも赤く輝く石がある。南米では広く知られた妖怪のようで、パラグアイではテユ-ヤグア (Teyú-Yagua) と呼ばれるそうだ。ブラジル以外の場所では、アンデス山脈の鉱山にんでいるというのが定説である。


 この妖怪を捕らえることができれば、富や名声を手に入れることができるといわれており、財をもたらす神のような存在とされている。


 南米インディオのグアラニ族の間では古くから言い伝えられているが、ブラジルではイエズス会士のテスシャウエル (Teschauer) によって初めて記録された。

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