第37話

 あの日以来、私は凝った料理を作って時間を掛けてそれを食べたり、何時間も見慣れた街を繰り返し練り歩いたり、読みもしないミステリー小説を買ってはやはり一ページも読まずに本棚にしまったりした。久々の展示会を決めて無理やり絵を描き続け、画廊と何度か打合せをし、とにかく余計な事を考えない様に忙しくする事に努めていた。

 気づけば半年が経ち、あれからずっと点けっぱなしのテレビも毎週流れるアンパンマンも、今ではどんな気持ちも持たずに穏やかに眺めることが出来る様になっていた。

 アンパンマンにはアンパンマンの事情があり、その仲間にもその仲間の事情があり、その中で自分が出来る事を彼らはただ信じて直向きに行い、そしてそれが村だか町の需要と供給に巧くハマっていた。そうやって小さな世界が回っている。ラブ・アンド・ピースでハッピー回路だ。誰もアンパンマンにアンパンを渡そうとは思わない。何も間違ってない。それがその世界の正義だった。

長い間、三分で出来上がる料理を紹介している番組だと、その名前から思い込んでいた料理番組は、幾度かの差し替えを繰り返し三分に収めた料理番組だと理解する頃には、以前田口の事を教えてくれた親切なアナウンサーに対しては、今や親友と呼べるほどの親しみを持って私は見つめることができた。今なら彼女のフルネームも言える。携帯電話の番号を教えて貰えたらその場で登録する事も厭わないだろう。


 私は来週に控えた展示のために、描き上げた絵の梱包をするべく作業場へ向かった。電車にのり、中野駅で降り、煙草屋に寄り、高架沿いを歩いた。少し早く歩くと、額にうっすらと汗が滲んだ。高架下のホームレスは一人いなくなり、代わりに彼が使っていた毛布が雨樋から連なる縦樋の脇に挟まったまま色褪せていた。高円寺の裏路地は至るところで薔薇が咲き、丁寧に選定されているその脇には、野放しのままのどくだみが地面を覆っている。

作業場に着き、玄関の鍵を開けた。そのつもりが逆に掛かってしまったので、私は鍵を掛け忘れたのかと思いもう一度鍵を捻りドアを開けると、目の前には田口が居た。

「遅いよ」というので

「本物?」と訊くと

「そんなこと聞いちゃう位、俺に会いたかったの?」と言うので、私は素直に「うん、凄く」と言った。

「それは……、予想してなかった返事だな」と言うと、田口はそのまま私を抱き締め「俺も凄く会いたかったよ」と言うと前髪に軽く口を付けた。


 私が部屋に上がると「もうストーブしまっちゃったんだね」と残念そうに言うので

「会いたかったら物置にあるわよ」と言うと「そういう事じゃないんだよ」その言い方が訊き慣れた田口の声そのものだったので、私は嬉しくなって「お帰り」と言った。それを聞いた田口も「ただいま」と言い「思いの他、張られててさ。伊藤もしばらくは控えた方が良いっていうから、全然来られなかったんだ」と困ったような貌笑った。開け放されている窓からは、六月の風の匂いがした。

 私は冷蔵庫から取り出したシロップ――新生姜とシナモン、レモン果汁に唐辛子やらと砂糖を詰めて作った――を炭酸水で割って手渡すと「辛いけどおいしい」と言って少し咽た後で「そうだ、お礼にスピッツの曲を弾き語ってあげよう」と言った。

「どうして私がスピッツを好きだって知ってるの?」

「ファーストアルバムからシングル、全部パソコンに入ってたから」

 そう言って田口が弾き語ったのは、私の知っているスピッツの曲ではなく、おそらく田口が作った物だった。それは、確かに私情をつらつらと並べているようだったが、思っていたものとは違い、好きだとか愛してるだとか、そんな恍けた事は言わず、ただ静かに季節の移ろいを歌ったような曲だった。個人的にはとても好きな、ぼやけた表現が連なっていたが、世間一般で流行っている物とは大分異なるような気がした。

 一曲を弾き終わると、田口はギターを抱えたままお辞儀をするので、私は短く拍手を贈った。

「どうだった?」と、不安そうに訊くので、「サビのG#augの遣い方が凄く良かった」と茶化した。

「君、スメルズ・ライク・ティーン・スピリットのイントロのリフしか弾けないんじゃなかったの?」と言うので「コードくらいは分かるわよ」と答えると田口からギターを奪い、二フレット目の下二弦を抜いてカポを嵌め、適当なフレーズをつま弾いた。

「ちょっとどころか、全然まともに弾けるじゃないか」

「アルペジオだけね」そう言ってストロークで弦を掻き鳴らすと「分った、ストップ」と田口は眉間に皺を寄せて笑った。

「そんな極端な」

「ストロークだと、何弦は弾かないとかそういうのが出来ないのよ、私」

「普通は逆だと思うけど……。でも驚いたな、アルペジオであんなに弾けるんだもの」

「知らないの? 美大生の半分は皆何かしら楽器が弾けるのよ」

「それは……、嘘だよね?」

「思いの他居るのよ。バンドがしたくて、美大を口実に上京する子。学科によっては地元にあるから、親への上京の言い訳には美大が向いてるらしいわよ」

「絵が描けなくても?」

「映像科なりなんなり、絵がそこまで上手くなくても入れる科もあるし、落ちても滑り止めに専門学校っていう手もあるしね。半分の半分の半分くらい本当だと思って聞いてくれると良いと思う。」そう言うと田口は笑った。

「新譜がね、三か月後に出るんだ。そうしたらまた暫くここには来れなくなりそうだと思って、伊藤の目を盗んで来たんだよ。」

「もしかして今、伊藤さんと住んでるの?」

「そう。なんか結局伊藤が毎日のように押しかけてきて、結局そうなっちゃった」

「あら、楽しそうで良いじゃない」

「本気で言ってるの? まあ復帰前だからね。俺も余計な事が何もできなくて逆に良いのかもしれない」

「ここに来ることは余計な事に含まれないの?」私がそう言うと、田口は溜息を吐いた。

「多分このリリースは売れる、次もギリギリ、でもその次ぎはもう駄目かもなって思ってる」

「どうして?」

「ある意味最大のスポンサーだったあの人はもう居ない訳だし……、それに世間の関心なんてそんなもんだよ」

「沢山いるファンはついてきてくれないの?」そう訊くと、田口は首を振った。

「今聞いて貰ったやつさ、完全に俺のオリジナルなの」

「うん」

「だから……、どうだろうね、そればっかりは俺もわからないよ。」そう言うと田口は笑って、君は無人島について来てくれないって言うし、取り合えずは未だここで頑張るしかないんだ。と小さく付け足した。

「無一文になるまでやってみなさいよ、駄目だったら掃除と買い出しと私の話し相手っていう業務で雇ってあげる」

「時々一緒に旅のお供をしたり?」

「そう」

「なんか紐みたいだな」

「あら、紐って、私はあなたに『そういうこと』は求めてないわよ。そして対価しか払わないわ。ちゃんと手伝わないと、滑子の味噌汁も飲めないわよ」

「なるほど?」

「ふふ、その『なるほど?』を聞くと、ああ、あなたと喋ってるんだな。って、感じがして良いわね」

「なんだい、そりゃあ。あ、ごめん、これ渡さないと」

 そう言って田口は小包を取り出した。「なにこれ」そう言って開けると、中身は佐々木さんの語録集だった。

「前にさ、車で近くを通りがかった時、スタッフにお願いして時間貰って、ちょっとだけここに寄ったんだ。でも君は居なくて、鍵も持って来てないし時間も無いしで帰ろうとした時に、配達の人がポストに入らないって困ってたから『うちの郵便ですか?』って聞いたら手渡されちゃったんだよ。」

「道理で、全然届かないと思った」

「ねえ、君、たいらさんに会った?」

「どうして……」

「そのノート見て見なよ」そう言われてページをぱらぱらと捲ると「最後のページ」と田口が言うので、私は最後のページを開く。

そこには、佐々木さんが死んだあと、私が平田さんに会うであろうことが書かれていた。

「もしそうなって、パチさんが何を言おうと、私は許してあげます。なんて上からですね、すみません。でももう上にいるから仕方がないんです。って、書いてて思いましたけど、本当は上も下もないですよね、死んだら只土に還るだけです。って、これも思ったんですが、このご時世、もう土にも還れず、灰は捨てられ僅かな骨が骨壺に収まるだけですね。そこに意識なんてもうない訳ですから、いつまでも私の事に引っ張られないで下さいね。私はもう死んでるんだから、気にする必要はないんです。『P.S.わたし、本当はちょっとだけ見えます。つい嘘をついちゃいましたが、でも、これでおあいこですね』佐々木」

私が見落とさない様になのか、マーカーが引かれていたその文字を読み終え、暫く放心していると「ところで……、この『そうなって』って、君はたいらさんと寝ちゃったの?」と田口が真顔で訊くので「まさか。ただ、佐々木さんはあなたの所為で死んだって言っちゃったの……、黙ってて。そう言われたのに……、そもそも、それだけが理由って事はないじゃない? 少なからず要因にあったとしても……。私、一番知られたくない相手に、彼女がまるでつまらない死に方をしたみたいに言ってしまったのよ。最低すぎて申し訳が立たない……」

「そりゃあ……、また……、つまらないかどうかは俺には分かんないけど、いくらあの人でも、内心穏やかじゃないだろうな」

「何か言われてないの?」

「まさか俺まで知ってるとは思ってないでしょ、あの人、自分の弱みは絶対他人に見せないよ。」

「ところで、これ全部……、佐々木さん計算済みだったのかしらね」

「だとしたら、してやられたよね」

「でも……、じゃあなんで、言わないでなんて言ったのかしら」

「どうだろうね、でも、決まってることはもう変えられないんじゃないのかな。じゃなかったら、どうして『ちょっとだけ見える』佐々木さんが死ななきゃいけなかったのさ。って、そんな莫迦みたいなこと言うの?」

「でも……」

「もしそうだったとしても、佐々木さんも書いてる通りだよ。それにしても君は本当に……、言わないで。って言われた事を悉く人に言うんだな」

「……ごめん」

「いや、責めてる訳じゃないよ。結局さ、俺はこうやってどうにかなった訳だし、佐々木さんも『言わないで』と言いつつ、君に託してたのかもしれないし。してしまった事で気を揉んでしまうのは分かるけど、そんなの免罪符になんてならないし、ただ自分が可愛いだけに見えちゃうよ」


 そう、私は自分が可愛いだけなのだ。

 実際、佐々木さんのメッセージを読む前に比べれば、心は随分軽くなっていた。呆れるほどの調子良さだ。そういう私の浅はかさも全て見抜かれて居たのだと思うと、堪らなく恥ずかしかった。それでも更に都合よく、私を友達だと言ってくれた佐々木さんを前向きに捉えれば、随分手の込んだ悪戯をされたような気分にもなった。本当のところ、佐々木さんは生きていて、田口と二人で伊藤さんにそうした様に、彼女が物置に隠れ、今にも脅かしに出てくるんじゃないかと勝手な妄想を進めて行くと胸が詰まった。こんなの全然『おあいこ』じゃない。

「大丈夫?」田口は心配そうに私の顔を覗き込み、それに対して「大丈夫にして行くしかないのよね」そう自分に言い聞かせるように答えた。


 夕ご飯をどうするか訊くと、田口は馬鹿の一つ覚えのように、いつものやつ。と言うので、それじゃあ朝ごはんだと何度も抗議したが、結局それに決まってしまった。

「でも糠漬けは今からじゃ漬かないわよ」

「じゃあ、あれがいいな、胡瓜と茄子、大葉と冥加が入った味噌のやつ」

 そう言いながら、私達は商店街を見て回った。田口の足取りはもうすっかり軽く、些か痩せてはいるものの、どこからどうみても健康な人そのものだった。


「もうさ、君がたいらさんとそうなってたらどうしようと思って、この日記を読んでから僕がどんな気持ちで居たか、君に分かる?」

「なんでそうなるのよ、あなた達はそんな挨拶でもする様に、会う人会う人とセックスするの?」

「そうじゃないよ。君は男心を分って居なさすぎる」

「あなたは私を分ってないわね」そう言うと田口はため息を吐き、「君は優しいからね、魔法も掛かってない俺の事だって受け入れちゃうくらい」と言うので「魔法は掛からなかったけど、私はあなたの事好きよ、人として。」

「人として」

「それに、私はもう大人なの。誰彼構わずセックスするような事はしないわよ。

上手く言えないんだけどね、私もあなたといると、居心地が良いと思う。こうやって会えると嬉しいとも思う。でも、恋とか愛とかそう言うの、良く分からないのよ。きっとある時から行方不明になってるのよ」

「行方不明……。心当たりはないの?」

「どうだろうね、でも、タイタン辺りに居そうな気はする」

 私がそう言うと、田口は良く分からないという顔をするので、声を出して笑った。こんな風に笑うのは半年ぶりだった。あの時、ああ言ってはいたけれど、田口とももう会う事はないだろうと思っていた。何故かはわからないが、そう思っていたので、今日という日が、私はとても嬉しかった。


 自分でも作れるようになりたいと、私の使う出汁の種類から、味噌のメーカー、調理の手順までをじっくりと眺め「そこに立っていられると料理がしづらいのだけど」という抗議もむなしく、田口は狭いマンションで、ずっと私の後をついてまわった。

朝ごはんのような夕ごはんを食べ終わると、田口はブランデーが呑みたいと言うので、酒瓶の置かれている棚に手を伸ばすと覚えのない箱が置いてあることに気付く。

「なにこれ」

「俺からのお礼。全然足りないけど、取り敢えず。で、貰っておいてよ。なんか店で一番高いやつをくれって言ったんだけど、見た目がびっくりする程ごつくて、全く君っぽくなくてさ。結局このボトルがいいなあ。って、思うのを買ったら全然安くて……、なんか恰好付かない事になっちゃったけど」そう言うので「嬉しい、有難う」と、お礼を言うと「素直な君って、望んでたけどなんか違うな」と揶揄うので、私は軽く田口を叩き、五十年物のジェラスのコルクを抜いた。二人で「乾杯」そう言うと「ところでこれ、何に対しての乾杯なのよ?」と訊いた。

「君の行方不明の恋心に対して?」

「そこは『再会に』とかじゃないのね」

「ところでタイタンってどこなの?」

「あなたの足の裏の近くよ」

「なんだ。全然近いじゃないか……、まあどうせ嘘なんだろうね、訊いたこともないよ、足の裏の近くにタイタンがあるなんて。」そう言ってグラスに口を付けた後で「ねえ、今日は泊まって、明日帰るよ。いい?」と思い出したように言った。

「構わないけど、何時に出るの?」

「お昼過ぎかな。ねえ、ご飯のリクエストしていい? 今日と同じやつ。そして今度こそ糠漬け。」

「飽きないの?」

「うん、まったく。俺の理想的朝食だからね、全部揃ってはじめてそれは完成するんだ」そう言うと田口はそっと指の背で私の頬に触れ、まじまじと見つめた。「なに?」そう訊くと、目尻の皺に唇を押しつけ、顔を離すと、そのまま唇に軽く触れる。「君ってこんな顔してたんだな」

「何、そんなことも知らなかったの?」

「気づくと隣にばかり座ってたしね、君だけじゃなくて、俺色んな人の顔をちゃんと見てこなかったような気がする」

自分でも今その事に気づいたとでもいう風に言った後で、親指で私の唇をこじ開けると、私の頭を割れ物の様に両手で囲い、口付けをした。そのままゆっくりと舌が押し入り、私はその舌に自分の舌を絡める。

 私は背中に回していた腕を、田口のTシャツの裾に滑り込ませ、その肌に触れる。
あんなにカサついていた肌が、今ではもう、すっかりと、つべつべしていて、私は一人、感慨深くなる。田口はそんな私を不思議そうな顔で眺め、Tシャツを脱ぎ捨てると、私のブラウスのボタンを一つずつ、ゆっくり、音を立てて外して行く。
 すると田口は「ああ、間違えた」と声を上げ、ボタンを元に戻し、私を見つめ直すと「抱いてもいい?」と訊いた。私は声を出して笑い「ねえ、そう言うの、やめてよ、まるで台無しじゃない」と言った。
「厭?」と、小さく笑うので「厭じゃないよ」と耳打ちすると田口はまた唇を重ねた。涎に塗れた顔をお互い手で拭いながら「馬鹿みたい。中学生だってもっとうまくするわよ」と言って笑った。

「たしかに?」田口がそう言うと、今度はお互いの唾液を軽く吸いながら舌を絡める。
 田口の細く長い指が、私の下着を剥ぎ取ると、唇は顎から首、耳へと移り、指先は太腿を離れ、ゆっくりと割れ目をなぞる。私は思わず震え、声を漏らすと「ねえ、本当に厭じゃない? これは流されてして良い事じゃないんだよ、君が決めて良い事なんだ。俺は君の事が好きだし、今すぐにでもそうしたいけど、それじゃ駄目なんだよ、伝わる?」そう言うと困ったように笑った。私は、声を震わせながら「厭じゃない、流されてもない、きちんと求めてると思う」そう答えると、今度は自分から口づけをした。
 何度も唇を重ね舌を絡めていると、とろり。と、田口の指が中に入ってきた。私は必死に手を伸ばし、田口のズボンのベルトを外すと、そっと固くなったペニスに触れた。手のひらで包む様に握ると、田口は少し息を漏らし、私を弄っていた指の動きが止まる。その隙に態勢を変え、舌先で裏筋を舐め上げ、反応を見ながら口に含もうとすると、腕で遮られる。

「今日は、そう言うんじゃないから」そう言うと、田口は私を押し倒した。

「ねえ、ここでするの?」

「ごめん、間に合わない」

そう言うと田口は自分の先で私の入り口を何度もなぞるので、私は小さく「挿れて」と言った。それを訊くと、頷くより先に、ゆっくりと硬くなったペニスを挿入した。

「あったかい」

「生きてるからね」

 田口は私を抱き抱え、とても静かに射精した。私は抱き寄せられた胸に耳を当て、走る心臓の音をただ黙って聞いていた。


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