第4話行列のできる相談所
「母さん、そういえば僕ってどうして入院したの?」
「それはね、朝ご飯を蒼ちゃんの部屋において声を掛けたんだけれど返事がなくてね。それはいつも通りだったんだけれど、私が、仕事に行っている間にいつもはご飯を食べてるはずなのにご飯に手を付けなかったからおかしいと思って部屋を開いたら蒼ちゃんが倒れてて、あのときは血の気がひいたわ」
そのあと、病院に運ばれ今の状態らしい。
「脳梗塞とか、重い病気なんじゃないかなって本当に心配したんだから」
そう言って、握っていた手をさらに深くつなぐ。
「ごめんね、これからは心配させないから。これからもよろしくね、母さん」
「う、うん。これからもずっと私と一緒だからー!」
母さん、本当に可愛いけれど、過保護すぎなんだよな。
僕も見つめているだけの看護師さんに威嚇するし。
「そういえば僕に兄弟っているの?」
「あ、そういえば言ってなかったね。蒼ちゃんには妹が一人いるよ」
「妹かぁ」
母さんの子供ってことは美人なんだろうなぁ。
「そ、それより、蒼ちゃん。前から聞きたかったんだけれど」
「なに?」
「その..............大きい胸って嫌じゃないの?」
「..............え?」
なんで、大きい胸が嫌なんだろう。
「い、嫌じゃないけれど。なんで?」
「だ、だって、男の人って大きい胸の人が嫌いでしょ?だから、蒼ちゃんも嫌いなのかなって」
そう言って、不安そうな顔をしてこっちを覗いてくる。
母さんは確かに、巨をこえて爆ぐらいの胸の大きさをしている。
「というか、僕は大きいほうが好きだよ。お尻とかも大きいほうがすき」
「え!?ええ!?じゃ、じゃあ、触る?」
「さ、触っていいの?」
「逆に触ってほしい」
そう言って胸を強調するように両腕をひろげる。
「触るね」
「...........んっつ、はぅ」
ものすごく柔らかかったこの世のものとは思えないくらい柔らかくて羽毛布団みたいだ。
「も、もっと。触って」
「ず、ずるい。私のも触って、触って」
そう言って段々と看護師さんが集まってくる。
みんな胸が大きいことにコンプレックスを持っていたみたいで、僕が嬉しそうに、興奮しているように触ると、看護師さんたちや母さんは嬉しそうに、そして喘ぎ声のような声を出して押し付けてくる。
「だ、だめ、蒼ちゃんは私のなんだから。みんな下がって」
「だめですー。蒼くんはみんなのものだから」
噂が広がりいつの間にか長蛇の列ができていた。看護師さんだけではなく、患者さんまでも来ていて、すごい人数で僕の病室がごった返していた。
「もうー!!だめー!!」
そう言って、僕の事を抱いて守るようにした。
僕は、母さんの頭をなで落ち着いてもらう。
「皆さん、今日の所はこれでおしまい。今週は病院にいるのでまた明日ね?」
「蒼君がそういうなら」
と渋々納得してくれて帰っていく。
「蒼ちゃんは私の蒼ちゃんだもん」
「大丈夫だよ、母さん。僕たちは家族だから」
「うぅ、蒼ちゃん」
「大丈夫、大丈夫だよ」
背中を擦ってあげると、甘えるように僕にくっついてくる。
だめだ、母さんなのに可愛すぎる。
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