第6話 ガールズラブ?

ウロウロ~。

ソワソワ~。


「侍女筆頭ネール、今何時だ?」

「15時45分でございます、王太子殿下。何回お聞きになれば気が済むのですか。」

「そうか、ご苦労。」


いや~楽しみだな、娼館。公爵令嬢のままだったら人生で1度も足を踏み入れない場所なのよ。ドキドキワクワクの初体験ってやつ?


トントン。


キタ~、湯浴み歯磨きOK、財布も持った、服装も一番質素な物を選んだ。

「入れ。」

「ギルです、王太子殿下お迎えに上がりました。」

「じゃあ行こうか。」


筋肉バカは騎士団の制服かよ、よくよく考えたらそうだわね。これから行く高級娼館『ダンデライオン』は騎士団御用達の店だからね。


「殿下は自宅謹慎中なのでは?外出してもおよろしいのですか。」

「ネール私はこの国の王太子だぞ。王太子にとっての家とはこの国そのものだ、これから出かけるのは王都内なのでである。よって外出などではない。」

「フフ。」

「プププ。」


はい屁理屈です。自分でも分かってます。

しかし王太子の身分って便利よね。権力とバカは使い方次第とはよく言ったものよ。

まあ、どうせ影はついてくるし、大丈夫でしょ。


   ♦


パッカパッカ。


「殿下、これにお着替えください。」

「騎士団の制服か、気が利くな筋肉アホなのに。」

「ありがとうございます。」

「それから外出中は殿下はやめろ、フューでよい。」

「はい、フュー様。」

こいつ落ち着いてんな、娼館利用の上級者なのか?私は童貞だから上級童貞かしら。


「筋肉アホはこういう場所はよく行くのか?ぼくも今回が初めてではないが、今回のこの店には行ったことがなくてな、一応の確認だ。」

「初めてでございます。」

「どどど・・童貞なのか?」

「はい、童貞です。」


衝撃的な告白キターーーー。

いきなり童貞2人で高級娼館ってどうよ。ハードル高過ぎじゃね。ねえねえ誰か教えて、料金は?システム的なものは?やっぱり筋肉アホだったわ。


「いらっしゃませ。ご予約のお名前を聞かせてくださいませ。」

「騎士団のギルだ、本日は2名で予約してあるはずだ。」

「お名前確認しました。ギル様とフュー様ですね、控室へどうぞ。」


童貞で初利用のクセに予約はしてあるんだ。そりゃそうよね、ここ高級娼館だし。

へ~、娼館の中ってこうなってるんだ。派手でキラキラだわね。お香みたいな匂いもするわ。


「失礼します。こちらが本日出勤の者の概要と時間ごとの料金となります。他にも何かお好み等がございましたらお聞きしますが?」


「オレは獣人で頼む、できれば猫獣人がいいな。料金は度外視で4時間だ。」

「ではこちらのタマはどうでしょうか?騎士団の方にはご好評でございます。」

「フム、ではそれで。」


こいつ童貞のクセに何ワガママ言ってんの、いや童貞だからかしら。

しかも初めてが獣人ってどうよ、しかも猫、もしかしてケモナー?


「お連れの方は?」

「そうだな。」

「フュー様にはダンデライオンで最高級の娼婦を、もちろん無制限だ。」

「かしこまりました。」


はあ~、何勝手に決めて優待券とお金も出してんのよ。私の好みは?

分かったわ、これは接待ね。お父様に聞いたことがあるわ、外国の要人なんかを接待する時に、こうしたお店を利用するって。


「タマですにゃ、よろしくお願いしますにゃ、ギル様。」

「ローズです、よろしくお願いします、フュー様。」


どっちもレベル高け~、特にローズちゃん金髪・碧眼で高身長、ナイスバディー、顔も癒し系で私の好みだわ、女の子だけど惚れてしまいそう・・・・。


「シャワーとトイレはどうしますか、フュー様。」

「いや結構、済ませてきた。」

「それでは失礼します。」


ブチューーー。

ファーストキスした、なんかいい匂い、やわらかい、気持ちいいわあ~。


カチャ、ズルッ、カプッ。

はわわ、こんなことされるの?

かわいいお顔で、全裸で、あっ、おしっこ漏れそう・・・・・・・。

気分爽~快~、これが抜くってやつね、クセになるわ。


「フフフ、若いからお元気ですね。後は私にすべて任せてね、坊や。王様気分で天国にいかせてあげるわ。」

「えへへへへ。」

「じゃあ服を脱いでベットへどうぞ。」


王様気分って私王太子なんだけど、まあいいわ。

ローズちゃんに任せちゃう。


それから後はなんか凄かったわ。

ローズちゃんとキスして、上に覆い被されて、抱き着いて、ローズちゃんのあったかい中に入っていって・・・果てたわ。

ローズちゃんもアンアン言ってたわ、あれが鳴くってやつね。


私の理性のタガも外れたわ。

馬みたいに後ろからしたり、座って目を見つめ合ってしたり、乳で挟まれたりしたのよ、全部が未知との遭遇だったわ。


でも一番はローズちゃんが下で私が上になるやつよ。

もうね、腰が止まらないの、ガンガンいこうぜだわ、私は無言で夢中だったけど、ローズちゃんは、『らめぇ~。』とか言いながら涙を流して喜んでたわ。


私一応女だから、女の子が何をされたら気持ちいいのか分かるの。

結局、休憩なしで3回も果てたわ。


「フューちゃん、最初は童貞だと思ったけど、女の子の攻め方うまいわよ、この店でナンバーワンの私が保証してあ・げ・る。」


ズッキューーーン。


ウインクして、微笑まれたわ。

反則よ、その顔は。


その後、いろんな話を聞いたわ。

王都の様子、女の子の悩み、労働環境、生の現場の声ってやつね。

同じ女の子の私には分かる話ばかりだったわ、男どもには理解できないでしょうね。


決めたわ! 

私は王太子として、を目指すわ、そのために権力をフルパワーで利用してやる。まずは娼館が立ち並ぶこの東地区からよ。

そのためには、週1ぐらいで娼館に通わないとね、決して自分が行きたいからとかいう不純な動機じゃないわよ。


もう21時だわ、筋肉アホが待ってるわね。


「にゃ~。」

筋肉アホの目の焦点が合ってないわ、しかもさっきから名前を呼んでも『にゃ~。』しか言わないわ。

アホだわ。




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