第3話 台本 side精霊王
「諸君 ここは婚約者であるレイアーズ公爵令嬢と2人で話をさせてくれ給え。」
「みなさん、私からもお願いします。」
「「「分かりました。」」」
「出て来い、セラフィニ。」
「来なさい、セラフィニ。」
「はいはーい、お2人さんなんか用?剣と魔法の精霊王セラフィニだよ~。」
「なんでぼーくがこのエロ釣り目のレイアーズになってるんだ!」
「それはこっちの台詞よ、私がなんでナヨチンフューネルなの!」
これは面白いことにことになってるねぇ。
お互いの魂が入れ替わってるねぇ、さっきの雷のせいだだろうねぇ。
この2人に雷が落ちて、その電気ショックで魂がビックリしてお互いの体から飛び出したんだねぇ。普通は飛び出した魂はすぐに元の体に戻るんだけど、ビリビリに感電した魂が混乱して戻る体を間違えたんだねぇ。
面白おかしいから黙っとこう、キャハハハ。
「天罰だね。」
「はあ~、元に戻しなさいよ。」
「ぼーくはどうしたらいい。」
「無理だね、魂の管理は精霊王の管轄外だから。ぼくはスキルと加護を与えるのがお仕事だからねぇ。」
この2人に精霊王の加護を与えたのはぼくだからねぇ。
精霊王の加護のせいで魂が戻る体を間違えたんだから、ぼくにも少しは責任があるんだけどね。まあ、黙っときゃ分からないでしょ。
「誰が魂の管轄をしてるの、責任者を出しなさい。」
「そうだ、ぼーくをどうにかしろ。」
「魂の管轄は、女神様だよ。また天罰が下るよ。」
「「ぐぬぬぬぬ。」」
「まあ、条件次第で女神様に話をつけてきてもいいよ。どうする?」
これは嘘じゃないよ、少なくとも1年以上はかかるね。
魂の管理は厳重に女神様が行っているからね、書類審査・査問会・裁定と少なくとも3つ以上はクリアしないとダメだからねぇ。
「条件って何よ?」
「ぼーくは・・・。」
「条件はね、今日の起こるはずだった未来を変えないこと。今日、2人は婚約破棄をする。そのあとレイアーズを断罪する。更にレイアーズを退学にして公爵領に追放する。そこまでかな?」
「私はそれで全然OKよ。」
「ぼーくとアンナの婚約はどうなる。」
「そこまではちょっと無理かな、ほら横を見てごらん。凄い顔で君を睨んでるよ。」
「嫌に決まってるでしょ、エロボケアンナは生理的に無理。婚約させたらいじめ倒して地獄に叩き落すわよ!」
ヒエ~、この子本気だよ。
ただでさえ今回のことで未来が少し変わってきてるのに、そんなことされたら事態が更に複雑になる。追放までで手を打つのが打倒だねぇ。
「あ~、可愛すぎるアンナとのぼーくの輝かしい未来が・・・・・。」
「妥協しなさい。」
いい感じ、最善でもないけど、これで最悪の事態は防げるかな。
それにしてもレイアーズは頼りになるねぇ、それに引き換えフューネルは女々しいねぇ。あまり疑いたくないけど、女神様が魂の管理を失敗したんじゃないのこれ。
2人の魂を入れ間違えたんじゃない?
(てへぺろ)
ん?
女神様何か言った?
「じゃあそういうことで決まりだね。」
「「ちょっと待った~。」」
「私の剣のスキルと加護はどうなったの?私このナヨチン王子のスキルなの。」
「ぼーくの華麗で美しい魔法はどうなる?」
「心配なら確認しようか?」
「「ぜひ。」」
「ステータスオープン!」
【名前】フューネル王太子(元レイアーズ公爵令嬢)
【レベル】18
【体力】38
【魔力】126
【スキル】剣技3
【魔法】風属性1 身体強化2
【加護】精霊王の加護
【称号】なりきり剣姫 エロ釣り目
【名前】レイアーズ公爵令嬢(元フューネル王太子)
【レベル】21
【体力】127
【魔力】25
【スキル】魔力操作2
【魔法】水属性2 聖属性1
【加護】精霊王の加護
【称号】なんちゃって賢者 ナヨチンバカ
「レベル・体力・魔力は体についてるものだから元の体の持ち主に文句を言ってください。スキル・魔法・加護・称号は魂についてるものだから変更なしだよ。」
「エロ釣り目って何よ、しかも体力なさ過ぎでしょう。まあ男になったからガンガン鍛えるからいいわ。」
「ナヨチンバカではない、しかもこの脳筋さはなんだ。ぼくは華麗なる魔法使いになるはずだったんだ。」
「しょうがないなあ、2人とも今後不便だろうからステータスオープンの機能はぼくからのプレゼントにするよ。ステータスは今後次第だから頑張ってね。」
「ぼーくの体を大事に扱えよ、エロ釣り目。」
「そっちこそ、綺麗な体のままで返しなさいよ、ナヨチンバカ。」
「じゃあ、婚約破棄の台本を考えよう。会場に戻ったらゴニョゴニョ・・・・。」
大丈夫かなこの2人に未来を任せて。
明日から女神様に今回の出来事の報告と、魂の入れ替えについて事務処理しないといけないから1年以上は下界に戻れないんだけど・・・。
まあいっか、責任放棄。
それでは、シーン1『婚約破棄』。
アクションーー。
スタート!
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