第2話 後編

強盗を繰り返していた。ただね、ある程度金がたまったら、しばらくは強盗辞める。そうじゃないと、捕まってしまうから。間を空けると捕まりにくいんだ。


強盗繰り返しているうちに捕まりにくいのでは?と、自然とノウハウが身に付いた。


そうしたら見事的中。ただ俺もこのまま続けていてもいつかはお縄。


そう思ったとき、ある資産家の家を狙った。


ドーベルマンみたいなのがいるのか、SPがついていてごっつい男がいるのかと


不安な気持ちが少しあったのだが、しかしそこの家にはいないのだ。


これはどう考えてもチャンスじゃないかって思った。


これを最後に俺も巨額な金を得てもうやめにしようって思った。


悠々自適なことはやらず自分の食糧だけでもこの先確保できる生活がしたい。



それで、いつも通り家に侵入。音を立てないように、気づかれないように忍び込む。


もちろん事前にチェック済である。ここは老人住宅街って呼ばれている場所でしかも今回は中年女と70歳くらいのババアがいる事は把握済。


何かあってもさすがの俺でも勝てると思うぞ。だからそういうチェックはちゃんと行う。


侵入してからはいつものように背後から襲って刃物をチラつかせる。

最初にいたのは中年女、見事に叫んで俺に完全にビビっている様子だった。


それを聞いた70歳くらいの杖をついたババアがいた。コイツが資産家の主だ。

そうしたらこのババア滅茶苦茶強い。


まずは、スッと俺に近づいてきて、いきなり俺の後ろに回って杖で首を絞めた。気道を圧迫されて呼吸がまるでできない。


しかもとんでもない力で俺の首を押さえつけるもんだから声も出せない。


このババア何者だ?しかも俺の力でそれを外すことが全然できない。


持っているナイフで刺すしか方法がなさそうだ。でも血が怖いって思ったけどこのままでは俺がオチるかもしれない。


そう思ったら刺すことを決めた。だけど、ババアはそれを察知したのか俺の体から離れたんだ。


「このババア!」

「お前、懲らしめる!」


甲高い声でババアがそういうもんだから、俺も何も考えずにナイフをババアに向かって刺そうとしたらニヤリと笑われてしまって腕をガッチリつかまれてしまった。


「弱いねぇ」

と、言われてしかも勢いよく腕を引っ張られ俺は投げ飛ばされる。


これは柔道でよくやる背負い投げであった。何なんじゃこのババアは?


しかも倒れた俺はババアに腕を掴まれ、体全体で俺の腕を締め付ける。


「ごめんねぇ、ちょっと痛いよ」


バキッ!とともに俺の腕が折れた。俺がやられたのは腕ひしぎ逆十字固め。これをやられ、腕が折れた。


折られた俺は悲鳴を上げて泣き叫んでしまった。


こうして警察が家に駆け付け、俺は逮捕となってしまった。あとで聞いた話だがあのババア柔道歴30年の現役選手だそうだ。


こんな老人住宅街であんな最強ババアがいるなんて思わねぇだろ。すごく痛かったが、何だか目が覚めた気分だ。


でもババア、いやお婆さんに腕を折られてしまってからは刑務所でも真面目で

そこそこ俺の評価も悪くない。


刑務所生活が終わったら俺はもう真面目に働くことに決めた。


こうして俺の強盗襲撃は失敗に終わり幕を閉じ、無事社会復帰を果たすようにもなり


今日も上司に怒られながらも今度は怒らず、自分で改善点を見つけ


日々努力して生活することになりました。


ー完ー














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強盗襲撃失敗! katsumi @katsumi2003

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