pistàcchio crunch nuts

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 *


 「なるほど…」

 翌日、さっそく研究室にやってきた新人助手に、博士はため息をついた。


 これじゃ、兵役にはつけないだろう…


 明らかに成長遅滞だろう低身長も審査に引っかかっただろうが。問題は、


 「博士! 博士! お茶、あ、そうだ、ドーナツの真ん中て、なにがあると思われます?」

 「なにもないから、ドーナツなんじゃ、」

 「あ! ポットがあふれちゃった! まぁいっか!」

 「よくない、ちゃんと拭いて、」

 「ぼくの計算によればドーナツの穴は、やっば! このお茶、高級なやつだ! ぼくのばぁちゃんが好きなやつ! なんか、缶が緑のもありますよね⁉︎」

 「あぁ、緑はアールグレイ、」

 「で、計算によれば、あ、これはあそこ、ヒロビロ記念公園を散歩していて思いついたんですが、」


 人事課長がよこした少年…いや、青年は片時も口を閉じることができない、じっとしていられない、ついでにはなしを聴くこともできない。


 数学科特有(と、生物科の博士は考えている)純粋無垢な真ん丸の目をくりくりさせて落ち着きなく部屋を歩いて周り、はてはティーカップまで破る始末。


 なんだ…これは…

 こんな若者しか、もうこの国の大学には残っていないのか…


 この国は、もう終わりだ…


 博士は独りごちた。

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