(幕間/蘭SS)蘭と君とのクリスマス②
颯太の存在は抜きにした、アナザーストーリーの蘭とヨムの皆さまがクリスマスを過ごしたら、という形にしています。
こういうの難しいですね_(:3」∠)_
Blueみたい単純な会話にした方がよかったのか……要改善の勉強ですねm(_ _)m
●
「ふ、ふふ。先程のお前と言ったら……この男のような動きをしていたな」
ソファーに座ってアクションものの動画をタブレットで見ている最中に、『すまんな』と何度も再生を止めては蘭が笑う。
もちろん、サンタのコスチュームは着替えさせた。
蘭はこちらに背中を預けているので、笑っている間の振動が毎回伝わってくる。
悔しいので、くすぐる。
「これ、何をする。ふ、ふはっ!よさぬか、あっはっは!くすぐったいではないか!く、ふふっ!……ならば!」
応戦してきた蘭と、くすぐり合いが始まった。
優勢だ。
背中から蘭の脇や腰辺りをくすぐる。
が。
向き直って反撃の態勢に入った蘭。
「くふふ……ええい!これならどうだ!」
あむっ!
え?!
甘噛み?!
耳や首を甘噛みをしてくる蘭をどかそうとするが、ガッチリとしがみつかれている。
降参!
「ふ、ふふ!私の勝ちだな!」
蘭に、とどめだ!と耳を10回くらい甘噛みされた。
すると。
くすぐったさと心地よさ、蘭との密着で少しずつ腰のモノの形が変わっていく。
しがみついて笑っていた蘭は、腰のあたりをもぞりと動かし、そして。
「そろそろ、寝る支度をするか?」
蘭の言葉に。
……うん。
しまった。
ほんの少し。
ほんの少しだけ、頷くのが遅れた。
絡み合った視線と視線。
マズイ。
その焦りを知ってか知らぬか、蘭にゆっくりと優しく引き起こされた。
そして。
●
「私で、いいのか?」
蘭の言った言葉が理解できずに、顔をじっと見つめてしまう。
「お前は、女子と睦み合うのが初めてだと言ったな。私もだ。そして愛するお前と睦みあった暁には、お前の伴侶にになるべく、ずっと傍に在りたい」
頷く。
「だが、私はこんなだ。綾乃のように
瞳を伏せる蘭。
こんな自信なさげな、いや、自嘲をするような蘭を見たことがない。
ただ。
こんな蘭は見たくなかった。
そしてそれは、自分の態度のせいだ。
真っ直ぐで。
優しくて。
凛々しくて。
愛らしくて。
楽しくて。
美しい。
そんな蘭がこんな顔を。
たまらずに、蘭を抱きしめる。
蘭じゃなきゃ嫌だ。
蘭じゃないとダメなんだ。
蘭を見つめたまま、その手を握って何度も何度も、同じ言葉を繰り返す。
と。
「と、いう事だ」
蘭が、微笑んで見上げてきた。
●
「お前、私が由布院の話をしている時や外出の最中に、自信なさげな顔をする時があったぞ。ま、友人関係でも似たような表情で、『私が友達でいいんですか?』と言ってくる者が多くてな。だから、芝居を打った。どうだ」
ドヤ顔の蘭の言葉に、
「と、言うかだ。お前は勘違いをしている。添い遂げるつもりで恋人となった私が、逃がすと思っているのか?」
その覚悟に、気持ちに体が震えた。
「が、もしどうにも私と一生を添い遂げる自信が無いというのであれば、いい機会だろう」
そんな事はない。
自信がなくとも、好きだと言う気持ちは誰にも負けていないつもりだ。
力を籠めて、言い返す。
「そう肩肘を張るな。しばし距離を……置いて……」
蘭がそこまで言って、うつ向いた。
珍しく
すると。
蘭が、しがみついてきた。
子供のようにイヤイヤをしながら、体を震わせている。
無理をさせてしまっていたのだろう。
胸が痛んだ。
ゆっくりと蘭の手を引いて、寝室へと向かった。
ベッドに腰を掛け、揺らめく瞳で見上げる蘭にありったけの言葉で気持ちを語り続けた。
そして、いつしか。
互いの名前と愛の言葉だけを囁き続けながら、何度も何度も体を重ねていった。
●
目を覚ますと。
蘭が胸に顔を
寝顔の可愛さに、頬を
「ん、むぅ……」
一瞬だけ唇を尖らせるが、すぐに寝息を立てはじめる。
疲れているのだろう。
朝の光がうっすらと差し込んでくるまで、求めあったのだから。
初めはこちらが血の気が引くほど痛がったが、蘭が途中で止める事を許さなかった。
ゆっくりと互いの温もりを確かめるように重なり合っていくうちに、普段からは考えられないような甘い声を上げて、あどけない表情を見せるようになった蘭。
その辺りから、蘭が上になったり、形の良い腰のくびれや背中を堪能しながら、何度も求めて求められて。
思い出しているうちに、またヤバい事になってきた。
寝かせておいて朝食の準備でもしよう、と蘭を起こさない様にそっと体を起こす。
が。
蘭に捕まった。
「むぅ、どこにいくのだ?……また逞しくなっているな」
寝起きの顔でニマニマの蘭に、気のせいだと告げる。
「そんな訳はなかろう。今すぐに、受けてたつぞ?」
そう言って覆いかぶさって来た蘭の肌は朝の光を受けて神々しいくらいに白く輝き、その体はどこまでも柔らかさを帯びて暖かい。
勇ましい言葉とは裏腹の、はにかんだ笑みが美しい。
「しかし、だな。いざ想い人と睦み合ってみると、思っていたよりも……癖になるやもしれん」
蘭は、ぽすん、と胸の上に頬を落としてきて呟く。
柔らかな髪を撫でながら、そうだねホント、と頷いた。
「全身で感じる肌の温もりに、蕩けてしまう。ひとつになった感覚に、身が震える。どこまでも何度でも、お前と抱き合っていたくなる。これは、一日5回くらいが適度か」
週、じゃなくて一日?!
「冗談だ、それだけ感じ入ったと言う話だ。何事も、
その言葉に、安堵の息をつく。
そう、快楽に溺れ過ぎてはいけないのだ。
うん、うん!ほんそれ!と同意する。
「だが、クリスマスに羽目を外すのは問題ないだろう?む、そういえば綾乃に教えてもらった言い回しがある」
また、
そういった蘭はこちらの驚きにも意に介さず。
「次は、ここ?」
可愛らしい唇を指差し、ちろり、と舐める。
「それとも、ここ?」
質量のある胸が何度も、押し付けられた。
「まずは、これで?」
蘭の手が、こちらの腰を這い回っていく。
「いきなり、ここ?」
腰と腰が、擦れ合わさる。
「それとも……」
そこで、蘭の甘い息とともに唇が押しつけられた後。
「全部、しちゃう?」
蘭の顔が、恥ずかしそうに赤らんでいる。
こんな顔もするんだ、と震えた。
全部乗せのマシマシで、お願いします!
愛してる、の言葉とともに。
メリー、クリスマス。
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