第24話 先輩、近達と駆け付けるも、羽村の悪あがき
【このお話を読むにあたってのご注意】
後半の★以降、羽村が蘭の弱みを握る為に、蘭に『とある要求』をします。
行為自体ではないのですが、読まれる方が気分を害されないように、ここに前置きさせていただきました。
・ラノベ的展開が苦手な方
・性的な表現が苦手な方
・キャラクターが弱みを握られて、不利になる展開がお好きでない方
・暴力表現が苦手な方
は★以降もしくは飛ばしていただけましたら。
マ猫の作品にお立ち寄りくださり、ありがとうございます( *´艸`)
いろんなジャンルのチャレンジ中でごめんなさい(ノД`)・゜・。
●
弓道場から逃げようとして出口に殺到する羽村側の生徒達と、羽村を逃がす為に雪崩れ込んできた生徒達。
弓道場は大混乱の様相を呈していた。
●
「
ばきぃ!
「の葉!真面目にやりなさいっ!」
どん!
「
「また訳のわからない事を!」
妙な節回しで唄いながら、殴りかかってきた男をナックルでぶっ叩く笹の葉。
木刀を振る女生徒を容赦なく床にたたきつける那佳。
那佳はまたもや夜の
「私、お手柄。感謝のハグからの、ぐっちゅぐっちゅ!も見込める」
「……!!ず、ずるい……はっ?!貴方達、全員逃がしません!」
敵をあしらいつつ、颯太を探す二人。
颯太との楽しい話題作りの為、颯太が今ハマっているものや興味を持つものを知るべく、
そして、笹の葉の番の今日。
颯太が弓道場に連れ込まれたのを見た笹の葉が、急ぎ皆に連絡を取った結果、皆が弓道場に駆け付けたのだ。
●
「羽村、どこだ!……おい!羽村を探して連れ出せ!まだ半金しか貰ってねえんだぞ?!それに大事な
「どけ、と言われても無理」
「この野郎!吠え
制服を着た大の大人に呆れ顔で相対する和樹。
勢いをつけようと腕を後方に振りかぶった男の顔が、二度揺れた。
和樹のワン・ツーによって意識を刈り取られた男が崩れ落ちる。
(生徒が結構絡んでるのかな。敷地内でこんなに行動できるのもおかしい。……そもそも、この人達珍妙なコスプレにしか見えないし気持ち悪い)
横たわる男をジト目で見つめる和樹。
そこに、別の男が襲い掛かった。
「てめえ、何かやってやがんな?!俺に勝てると思うなよ!うらぁ!」
男が突き出した腕にフックを被せてカウンターを入れた和樹。
白目を向いてしゃがみ込んだ男を見て、溜め息をついた。
「ふう。颯太はどこに?」
「死ねや!」
またもや襲い掛かってきた別の生徒風を殴り倒し、和樹は颯太を探す。
●
裏口の傍まで到達した生徒達が、近に向かって懇願する。
「た、頼む!逃がしてくれ!俺た……俺は羽村に脅されて仕方なく!……隙を見て久世院を助けるつもりだったんだ!信じてくれよ!」
「あ、あたしも!仲間につかなきゃひどい目にあわすって!」
「あらら~それは災難だったね♪でもでも、だよ?だったら逃げる必要あるのかな?私達に加勢してもいいんだよ?仲間が増えたら助かっちゃうな~」
床に落ちていた特殊警棒を拾い、にこにこふわふわと語り掛ける近。
強そうに見えない近を見た二人が顔を見合わせ。
「おらあ!」
「や!」
近に向かって殺到した。
「あは♪」
楽しげに笑う近。
ガガン!
ドガガア!
近が、手首の返しで二人の急所を打ち据える。
それぞれにヤクザキックのオマケをつけて、転がした。
「馬鹿って馬鹿だよね~♪……お前ら、どうダマくらかすつもりだったんだよ」
吐き捨てる近がすぐに表情を曇らせながら歩を進める。
「そーた君……どこにいるの?」
●
蘭は生徒のコスプレをした女と男子生徒二人に相対していた。
その御付きの芹は、蘭の後方で敵を捌いている。
「何なの!羽村はどこなのよ!こんなカッコしてきた意味あんの?!ガッコで羽村と『金の生る木』を回収する楽な仕事じゃなかったの?!それにお前、邪魔よ!」
「戯言は止めろ。終わりだ」
金切り声で叫ぶ
女と並んだ男子生徒の声が飛んだ。
「アンナさん気をつけてください!コイツ……由布院は剣道の有段者です!」
「馬鹿じゃないの?!そんなの、三人でいけばいいじゃないのよ!!」
その言葉に顔を見合わせた男子生徒二人がそれぞれに、拳を構え、木刀を振りかぶった。
が、既に遅く。
蘭はいち早く、触刃の間合の中に踏み込んでいた。
一度、二度、三度。
打ち据える鈍い音と共に、羽村側の三人が物も言わずに崩れ落ちる。
「芹」
「はっ!」
冷ややかな目をした蘭の一言で、芹が三人を後ろ手で拘束していく。
そして、蘭が次の敵につかつかと歩み寄っていった瞬間。
「青空君!!」
そこには。
ブレザーの右肩を真っ赤に染めて
★(ここから
「動くな……テメエら!俺の計画を滅茶苦茶にしやがって……!だが、これで逆転だあ~。おい、由布院。獲物を捨てろ。由布院の手下ども、お前らもだよ!」
「……皆、こいつの指図に従ってくれ」
ごとり。
ごとり、ごとり。
蘭を手始めに、床に武器が落とされる音が続いた。
ギリッ。
歯ぎしりをした蘭が、怒りのままに吐き捨てる。
「貴様、颯太を離せ。何をしても無駄だ、逃げられん。逃がさん。颯太に傷ひとつつけてみろ。絶対に許さん……!!」
怒りに燃える蘭の言葉を聞いた羽村が目を
「はっは~ん?こりゃあいい!俺はついてる!ついてるぜ!まさかこのガキが、お前の知り合いだったとはなあ、由布院よお!さあ、どうすっかなあ~♪」
「……貴様!!」
「くっそ、時間さえありゃあ……こいつらをぐっちゃんぐっちゃんにして甚振りまくって、荒稼ぎ……そうだ」
下卑た笑いを浮かべた羽村。
「おい、由布院。脱げ」
「……何だと?」
「早く脱げって言ってんだ!このクソガキがどうなってもいいのかよ!……テメエらの恥ずかしい写真をよ?い~事に使わせてもらうんだからよ。おら!このガキがどうなってもいいのか!」
血まみれの颯太の肩を掴んだ羽村。
颯太の顔が苦痛に歪む。
「そーた君を離せ!殺すぞ!由布院様、いけません!」
「羽村……キサマ!」
「お嬢様!」
「蘭姉ぇ!ダメだ!」
近、加賀獅、芹、和樹が叫ぶ。
が、それを手で制した蘭が。
ばさり。
赤いブレザーを躊躇いもなく脱ぎ捨てた。
次いで、制服のスカートホックに手をかける。
「由布院様!」
近の絶叫が響き渡った。
するり、と落ちたスカート。
ブラウスの裾からは、艷やかな太腿と白い下着が顔を覗かせている。
次いで、袖のボタンを外した蘭がブラウスを床に落とした。
はち切れんばかりに盛り上がるバストと、引き締まった腰の
「おほほー!たまんねえな!……ちっ。惜しいが、今は画像だけでいい。後で何とでもできるしな」
自分の身体を穴が開くほどに見る羽村に、ここに来て初めて嫌そうに顔を
すると。
「な~にのんびりしてやがんだ由布院!全部脱いで座れ!股を大きく広げてな!」
「何……?」
「由布院家のお嬢様の顔出しパックリ写真、さていくらで売れるかなあ~?」
「この、痴れ者が!お嬢様!お下がりください!手の打ちようはあります!」
「外道が!
激高した芹と近達が詰め寄ろうとする。
が。
羽村が颯太の首筋にナイフをつう、と這わせた。
ぷくり、と浮いた血が零れ落ちる。
「動くんじゃねえ!おい、いつまでヨタついてやがる!由布院の手下、しっかり抑えとけ!……由布院、何してんだ!早く脱げよ!」
「……ああ、わかった。だから、颯太にそれ以上傷をつけるな」
「うっひょー!泣かせるねえ!こいつの事好きなのかよ!俺もそういうの、嫌いじゃないぜ?そんな男と女を踏み散らかすのがよ!おい、もう下だけでいいからとっとと脱げ!股を開いたらパックリ行けよ」
その言葉に蘭が、腰に手を当てて下着の脇に指を通した。
羽村はごくり、とまた唾を呑みつつ、ハアハアと蘭を動画で撮影し始める。
すす、と蘭が下着を下ろし始めた。
怒号、悲鳴が織りなす空間の中。
めきり。
颯太の両腕が、羽村の腕を捉えた。
「いてえ!て、テメエ、離しやがれ!や、やめ、ぎゃああああああ!!」
ボキッ!
ボキボキボキ!
道場に、骨が折れていく音が響き渡る。
両腕を折られた激痛に、ゴロゴロと転がり身悶えする羽村。
ゆらり。
颯太が、立ち上がった。
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