第4話

「じゃあ、選べよ」

「じゃあ、選んでよ」


 ジェダインとメイソンが二人して私を見つめてくる。

 えっ、ナニコレ。私が困るターンですか?


 情熱的なジェダイン。

 彼とは一年付き合ってきて、楽しい思い出はたくさんある。本当に良かったと思っているし、彼のプロポーズはとても素敵で、彼と人生を歩むと一度は決めた。

 優しいメイソン。

 いつも相談に乗ってくれたメイソンはジェダインと付き合ってから気を遣ってくれたのか、少し疎遠になってシェリーと三人でしか会わなくなってしまったけれど、かけがえのない親友で、告白されて初めて異性として彼を見てドキドキしている自分がいる。


 もう当分恋はしないかな、と思っていた矢先にこれだ。

 でも、二人とも素敵な男性で、そんな二人に言い寄られたら、恋をしないなんて私は言えない。


 カランカラン


 再び来客者を知らせる鐘が鳴った。

 その鐘は今度は私に福音をもたらした。


「大変だ。王が亡くなったぞ」

 先ほどの同じような話をしていた2人の元へ行く彼は2人の友人なのだろう。

「「本当かっ!?」」

 興味津々な2人は立ち上がり、1人が、

「時期の王は?」

 と尋ねると、遅れてきた男が二人の顔を交互に見て、溜めに溜まくって・・・・・・

「エリザベス王女だ」

 というと、二人は「そうきたか」という顔で遅れてきた男を見た。その男は2人の様子を見て、ニコリと笑って、

「エリザベス王女は大変モテる。何人かの貴族と結婚するらしい」

「はぁっ!? そんなのが許されるのかよ!?」

「ああ。なんでも、今日から重婚を認めるらしい」

「それって・・・」

 私は我に返ってジェダインとメイソンを見ると、2人も同じようにその話に興味津々だった。

「俺は構わないぜ、ブラザー」

「僕はジャンヌが望むなら当然いいよ」

 ジェダインとメイソンが目を合わせて、お互いの健闘を讃え合っているように見えた。なぜか、散々喧嘩していたくせに男の友情が芽生えたらしい。二人は片膝をついて、それぞれ片手を私に伸ばしてきた。


「「結婚しよう」」


 急展開過ぎてついていけない。

 というか、二人で勝手に盛り上がって私の気持ち、おざなりじゃない?


「それは・・・・・・どうなの?」


「全然、ありだろ」

「全然、ありでしょ」


 私はこの後、結局二人に押し切られて女王となったエリザベス女王よりも先に重婚することになった。

 そして・・・シェリーもメイソンと私どちらも大好きだからと言って、プロポーズしてきたのはもう少し先の話で、シェリーと私は女性同士だから結婚できなかったけれど、ひょんなことからエリザベス女王に気に入られて、私とシェリーの結婚もOKされるのはもっと先に話である。

 エリザベス女王の考えに賛否はあって、他国から重婚や同性婚のためにこの国に来る人もいたり、それが不愉快だと亡命する人や、そんな考えを普及してはならないという国が戦争を仕掛けてきたりした。物議を醸しだしたけれど、私たち4人にはフィットしていて幸せな人生を歩めました。 




 fin

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私が重すぎ?軽い方だと思いますが、そう仰るなら婚約破棄を受け入れます。 それなのに、あなたはなぜ私に付きまとうのですか? 西東友一 @sanadayoshitune

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