第5話…現在③

榊原さんとLINEのやり取り中。


「ちょっと質問なんですけど」


ぴこん🎶


『何ですか?』


「高校生の頃、学年1、2を争うくらい可愛い子から付き合ってって言われたとか、言ってませんでしたか?」


コメントしながら、小っ恥ずかしい。

まさかその女子が私だったなんて、信じられないんだけど。



ぴこん🎶


『そんなこともありましたね、昔の話ですが』


「で、付き合ったんですか?」



ぴこん🎶


『いえ、その頃のぼくは異性と付き合うという意味がわかってなくて、買い物にでも付き合うのかと思ってました。なので、付き合っていませんよ』



あはは♪

そうだよね。

うん、榊原さかきばらさんはそう言ってた。


それにしても、白衣姿もよかったな。

それが見れただけでもよかった。


時間を戻しても、今になってしか出会えなかったということはわかった。

きっと、今だから出会えたということなんだろう。


榊原さかきばらさんと初めて会った時、ビビビッと衝撃を受けたのは、気のせいだったのかなぁ。

ただの一目惚れだったってことか。


なんだかなぁ…運命というものを感じたりもしたんだけど。

カバンに付けた古ぼけたぬいぐるみを見る。

色褪せてるけど、これは確実に榊原さかきばらさんの物。

でも、見せたところで忘れてるよなぁ。

仕方ない、返したとしてもわけがわからないだろうから、私だけの宝物にしておくことにしよう。



明日は榊原さかきばらさんの来社日だ。


「明日の打ち合わせ、お待ちしてますね」


ぴこん🎶


『予定通りに伺いますので、よろしくお願いしますね』





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