第16話 重言について


「顔が童顔どうがん」、「巨漢の男」など、前の文字と次の文字に同じ意味を持つ言葉が重なることを、「重言じゅうげん」と呼ぶ。


 ただずっと不思議なことがあった。


 何故か、訳した言葉にこの現象が多く見られるのである。


 例えば、「スキー板」はSkiは英語で「板」という意味なので、「板・板」という意味になるし、


「チゲ鍋」は「チゲ」が韓国語で「鍋」という意味なので「鍋・鍋」という意味になってしまう。


 同じように、


「ゲベール銃」の「ゲベール」はフランス語で「銃」、「ゴビ砂漠」の「ゴビ」はモンゴル語で「砂漠」、「フラダンス」の「フラ」もハワイの現地の言葉で、「ダンス」、「ヤノマミ族」のヤノマミも、現地の言葉で「原住民」という意味で、重なってしまう。


 この現象は、いったいなぜ起こり続けるのだろうか?


 邦訳ほうやくするときに、何かの混乱が起こっているのだろうか?



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