第17話 老害について

 今から、5千年前、つまり紀元前3千年のエジプトの、粘土板に、


「最近の若い者は・・・。」


 と、書かれているという。


 それから、2千5百年後の古代中国では、要するに今から2千5百年前には、


「昔は良かった・・・。」


 と、(恐らくは,木簡もくかん竹簡ちくかん)書かれているという。


 かんがみるに人間は、往々にして老害になっていくものらしい。


江戸時代の儒学者で、山田方谷やまだほうこく佐久間象山さくましょうざん大塩平八郎おおしおへいはちろうの師匠である、


 佐藤一斎さとういっさいは、


しょうにして学べば、壮にしてすことあり、そうにして学べば、老にしてすことあり、ろうにして学べば・・・」


 ここで、老人になったのだから、あとは死ぬだけなので、好き勝手遊べばいいんだとと言ったら、彼の多士済々たしせいせいの弟子は育たなかったのであろう。


「・・・老にして学べば、死してちず」と、彼は「言志録げんしろく」にしたためた。

 

 無論、老人になっても学問を、精進しょうじんしそれを未来ある、若者たちに伝えたならば、死後もなおざりにされないぞ、という戒めであろう。


 老害には極めてなりやすいが、それを回避する方法もあるという事であるのであろう。


 皆さん、頑張って佐藤先生を見習いましょう。


 私も見習いますので。

















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