第10話 「がおー!」 この日、アイドル候補生ヒナは、シ〇・ゴジラになりました。いや、いや、いや。ウソですよ。AIって、どこまで役に立ちそうですか?

 「タ、タ、タ、タ、…」

 わかった?

 AIなら、スルー。

 「これは、何も問題がないな。削除は、しないでおこう」

 AIなら、そう判断するでしょ。

 だろうね。

 タ、タ、タ、タじゃ、怪しく見えないよ。

 でも、これに、こんなコメントが、続いちゃっていたら?

 「ヒ、ヒ、ヒ、ヒ…」

 もちろん、これも、AIはスルー。

 「これも、削除しなくて良い」

 そう、判断するだろうなあ。

 でも、本当に、それで良い?

 じゃあ、ここに、こんな言葉が続いちゃっていたら?

 「ネ、ネ、ネ、ネ…」

 これらをつなげてみたら、こう、読めるんじゃないの?

 「死ネ、死ネ、死ネ、死ネ…」

 AIじゃあ、この判断はできないな。

 人間だって、世代によっては、こういう考え方ができないよ。

 1つのコメントを見ただけでは、問題には気付けない。続けられたり、大量に投稿されると、傷付けられちゃうけれども。

 「かわいくないぞ!」

 この一言だけだと、こう言っているようにとらえることもできる。

 「君は、本当にかわいいって言われるように、がんばろう!まだまだ、これから!本気にかわいいって言われるようになろう!応援、しているよ!」

 でも、さ…。

 このコメントが、大量にきちゃったら、どう?

 「かわいくないぞ!」

 「かわいくないぞ!」

 「かわいくないぞ!」

 「かわいくないぞ!」

 「かわいくないぞ!」

 このコメントを受けとった子は、へこむよ。泣いちゃう子が出たって、おかしくないんじゃないか。

 これが、ヤフコメ問題でもあるわけだ。

 「おお…!」

 「ねえ、ヒナお姉ちゃん?」

 「あ、ごめん。何?」

 「で、どう思うの?」

 「私たち、中学生女子も、考えさせられます!」

 「そう?」

 「がおー!」

 「ほえてるし…」

 この日、アイドル候補生ヒナは、シ○・ゴジラになりました。

 秒で、戻ったけれど。





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