第9話 ヒナたち、アイドル候補生たちも、似たようなことを経験済み。ヤフコメのコメント問題を考えると、たくさんのストレスがあるってわかりそうだぞ。

 元々、ヤフコメのコメントサービスが作られたのは、こういう思いがあったからなんだよ?

 「読んだ人に、多様に、意見をもってもらいたいから」

 わかる。

 けど…。

 ああ、実際は…。

 「悪口とか、書かれちゃう」

 私たち、アイドル候補生も、似たようなことを経験済み。

 私たちは、ステージの客席に、自由ノートを置いたものだ。思い思いの感想を、書いてもらえるようにと。

 多様な意見を、聞きたかったからねえ。

 でも、社会はキビシイ!

 「がんばれ!」

 「そのかわいさを、忘れないで!」

 「応援、しているからね!」

 そう、書いてくれる人もいれば…。

 悪口コメントを書いてくる人だって、いた。

 「かわいく、ないんだよ!」

 「中学生だろ?こんなことしていないで、早く帰って、勉強しろよ!」

 「君たちの生き方は、自己満足レベル!」

 「今は良いかもしれないけれど、おばあさんになるまで、続けられるの?」

 「無理」

 悪口コメントのほうが、良いコメントよりも多かったんじゃないか。それだけ、皆のストレスがたまっているっていうことなんだろうけれど。

 つらいコロナ禍、だもんなあ。

 ヤフコメも、こうして、悪口を書かれるノートになっちゃっていたわけか。

 こういうときに、活躍するのが、AI。

 ヤフコメでは、AIが、チェック。差別だ、暴力的だって判断できたら、自動で、コメントを、削除してくれるんだっていう。

 AIだけじゃなくって、人間の目にも監視させるっていうから、本格的?

 うらやましいよ。

 私たちアイドル候補生たちには、そんな予算はありません。

 「でもね、ヒナお姉ちゃん?」

 「はい?」

 「これって、しょっぱいんだよ?」

 「はい?」

 へえ。

 そうなんだ。

 こんなコメントが、あったとする。

 「タ、タ、タ、タ、…」

 これ、大問題!

 なぜか、わかりますか?





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る