第31話 【漫画世界】エピローグは語る
31 季節なしアジト
動き出す七人。
倒れている瞬とやよいの元に如月が駆け寄る。
如月「キュアブルーー!」
たま「きさちゃん!」
如月「ごめん、このまま二人を見捨てられない。一緒に戦ってきたやよいイエローも、大好きだった瞬さんも」
星美「やめなさい! そんなことしても瞬は喜ばない!」
たま「そうよ、殺した方がいい」
如月を引き離そうとするたま子。
しかし、頑として動かない。
星美「殺しなさい! 瞬も、私も!」
星美が駆け寄ろうとすると、立ちふさがる他のヒーロー。
宇田「邪魔はさせない」
荘子「あなたも本当は瞬さんを助けたいんでしょ?」
星美「そんな奴がどうなろうと私の知ったことじゃない。お前たちがやらないやら、私がやってやる!」
如月「嘘つき」
星美「なんだと!」
如月「あなたが瞬さんのことを大切に思っていることは、最初に会ったときからわかってた。同じ人を好きなんだもん。そんなのわかるに決まってる。だから、私は騙されたんだから」
星美「私は……」
如月「いいじゃない、助けようとしている私も、殺そうとしているあなたも、彼と一緒に死のうとしたやよいも、瞬さんのことが好きってことでさ」
やよ「……そうだね」
如月「やよい!」
やよ「今はやよいイエローだよ」
如月「うん」
やよ「助けてくれて、ありがとう」
如月「ヒーローが仲間を助けないでどうするのよ」
やよ「……瞬さんも、瞬さんも……助けて」
如月「もちろん」
星美「やめろー! そいつはそのまま死んだ方が幸せなんだよ!」
如月「そんなわけない! そんなことあるわけない! キュアブルー!」
目を開ける瞬。
瞬後「……うぅ」
如月「瞬さん!」
瞬後「……如月が助けたのか……なんで俺のことなんて助けたんだ……俺はもう生きる価値なんてない」
如月「あなたを好きな人がたくさんいるのよ。ろくでもない男だってわかっていてもね。……それだけで助ける理由になる。ううん、それが、あなたの生きる理由になるはずでしょ」
瞬後「でも、俺は……」
如月「もういい、もういいの。あなたが例え、おじさんになっても、火星人でも、私を騙していたとしても、それでも私はあなたが好き。ろくでもないあなたが好き。だから……生きて。私と一緒になんて言わない。どこでもいい。火星に帰ってもいいか ら、そこで生きて」
瞬後「如月……」
如月、背を向けて歩き出す。
漫画の登場人物、全員去る。
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