第13話 【漫画世界】瞬と星美の嘘

13 秋のアジト。


   星美。

   ○漫画家エリア、フェイドアウト、上手エリア、フェイドイン。


星美「……そうね。払えないっていうなら、働くしかないんじゃない? そうね、うちで良いところ、紹介してあげるわよ。馬鹿ね。あなたに断る権利なんてないのよ。ずいぶん寒いところだから、せいぜい体を壊さないようね。あぁ、逃げようなんて無   駄なことは考えないようにね……(電話を切る)ごきげんよう」

瞬 「星美……」

星美「あぁ、お帰り。今、この前の声優志望のお馬鹿さんから……うん、何、何かあったの?」

瞬 「……」

星美「まさかとは思うけど、後悔してるんじゃないわよね?」

瞬 「うるせぇ」

星美「後戻りする道なんてないのよ」

瞬 「そんなことわかってる」

星美「だったら……」

瞬 「後戻りする道がなくても、振り返るくらい、いいだろ」

星美「変わらないなら振り返ったって仕方ないじゃない」

瞬 「……」


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