航海第二十一日目 死

(平成11年9月30日〔木〕晴れ)

 今日から就職活動か。

 そう思ったものの、そんなことはしなかった。よく考えてみれば、“旅人”なんていう職についたわけではないし、私は死んでいるので働く必要もない。


 それよりも、ばらばらになった私の体の一部たちが心配だ。そう思ったけれど、私の体はすでに完全体になっている。なぜだろう。


 そんな理由で、もはや目的はすべてなくなってしまった。

 これから、どうしよう。

 考えているうちに、良い考えが浮かんだ。角川師つのかわしの迎えた第二の死、これを行おう。

 しかし、これを行うには相当強いショックが必要だ。強いショックといえば核ミサイル。私は自分自身に何発もの核の嵐を浴びせ、第二の死へと誘った。


 そして、気が付くと、お花畑に来ていた。

 手を振る爽やかな笑顔の角川師。(生きている時は爽やかとは無縁だったのになあ)

 って、またかい。思わずつっこみを入れてしまった。


 だが、少し様子が変だ。


(二十二日目につづく)


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