航海第十九日目 核の炎

(平成11年9月28日〔火〕晴れっぽい)

 やばい。私の必殺魔法でも天国は半分しか消滅しなかった。一体、どうやって天国を消せばいいのだろう。私は一つの結論へと導かれた。第二の太陽こと核の炎で燃やし切るのだ。


 そうと決まれば、実行あるのみ。私は核ミサイルの発射スイッチをオフにした。しかし、何も起こらない。当たり前だ。間違えて、オンにしなければいけないのにオフにしてしまったのだから。


 気を取り直して、今度はスイッチをオンにした。今度は上手くいった。見事に天国は跡形もなく消え去ったのだ。

 私は成功を祝し、バンザイ三唱をした。しかし、幸せは長く続かなかった。

「だからなんだというのだ」

 自問自答する声が重くのしかかってきた。


 これから先に行く当てがなくなってしまった。これは旅人として由々しき事態である。下手をすれば、この超氷河期の中で就職先を探さなければいけなくなってしまう。


 が、この時、一人の謎の男が現れた。


(二十日目につづく)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る