航海第六日目 難所
(平成11年9月15日〔水〕風 敬老の日)
さて、針の山を登り始めた私だったが、針の山は想像上以上の難所だった。普通に歩くだけでも、足が血まみれになってしまう。その上、何かに足を取られて倒れてしまうのだ。
私の全身はもはや真っ赤だ。“赤い彗星”“レッドバロン”“青春の夕日”など、数々の二つ名を戴くに相応しい。
そんなことを考えながら下を向くと、鬼が私の足を掴んでいるではないか。さっきから私の足を取っているのはこいつだったようだ。
私は殺気だった。そして、適当に針を掴むと、鬼の眉間に突き刺す。鬼はドクドクと血を流し死んでしまった。
ここで、ふと考えた。
さっき、私は針を掴んだ。さらに言うと、針の山の針を取り外すことができたのだ。ということは、針を外しながら進めば、この難所を楽に越えることができる。
そう気づいた私は楽々と山の頂上まで辿り着いた。
すると、そこには3階建てのマンションがあった。望月氏の住まいである。
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